研究課題/領域番号 |
20H02801
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山下 建 (アルブレヒト建) 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (50599561)
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研究分担者 |
藤田 克彦 九州大学, 先導物質化学研究所, 准教授 (20281644)
細貝 拓也 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 主任研究員 (90613513)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2020年度: 9,750千円 (直接経費: 7,500千円、間接経費: 2,250千円)
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キーワード | デンドリマー / カルバゾール / 熱活性化遅延蛍光 / 有機EL |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではカルバゾールがHead-to-Tail型に結合し、分極した電子構造を有するデンドリマーもしくは線状オリゴマーの特徴を活かし、高効率な発光材料を開発することを目的とする。特にこれまでよりも嵩高い置換基を導入したカルバゾールデンドリマーと種々のアクセプターを接続することで様々な発光色で熱活性化遅延蛍光(TADF)を示す発光材料を開発する。開発した発光材料は有機ELの塗布型発光層として展開し、有機層全塗布型有機EL素子の作製を目指す。
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研究実績の概要 |
代表者はこれまでにカルバゾールをHead-to-Tail型で樹状に連結したデンドリマーとアクセプターを連結することで塗布成膜可能な熱活性化遅延蛍光(TADF)材料を開発し、有機ELの発光層として展開してきた。前年度に合成を行ったアクセプターをベンゾフェノンとし、第2世代カルバゾールデンドロン末端に嵩高い置換基であるアダマンタン(Ad)、テトラフェニルフェニル(TPPh)基を導入して連結したデンドリマーについては、論文出版に至った。昨年度に導入した設備である近赤外蛍光分光光度計と液体窒素バス式クライオスタットシステムを活用することでエネルギー準位を計測することが可能となり、分担者として年度途中に追加した細貝研究員の蛍光寿命測定結果と合わせて発光の速度定数などを算出することが出来た。新たに嵩高い置換基としてフルオレン基を導入したデンドロンの合成も行っておりトリアジンをコアとした場合にはニート膜状態で高い発光量子収率を示すことを見出した。 塗布による配向の可能性を目指して、線状のカルバゾールオリゴマーの合成も行った。アントラキノンコアへと結合することでアスペクト比の大きい分子を合成することに成功した。 発光ラジカル骨格であるTTM(tris(2,4,6-trichlorophenyl)methyl)へのカルバゾールデンドロンの導入についてはヨウ化カルバゾールをTTMに結合した前駆体を経由することで合成に成功した。光物性の測定と有機EL素子発光層への展開についても行ったが、素子特性と素子寿命の向上が課題であり、素子構造の最適化が必要である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
目的の1つとしていた嵩高い置換基を有するカルバゾールデンドリマーについては論文出版に至った。また、異なるコアを持つデンドリマーの合成にも成功している。 線状オリゴマーをドナーとする発光材料についても合成に成功して物性測定を行う段階にある。 発光ラジカルとデンドリマーの連結についても当初予定の合成ルートではないものの合成に成功した。 いずれも来年度には有機EL素子材料としての評価が可能だと考えている。以上より概ね順調に進行していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
嵩高い置換基を持つデンドロンについては異なるアクセプターへの連結と物性評価を行い、有機EL素子材料として評価する。 線状オリゴマーをドナーとする発光材料及びラジカル結合デンドリマーについては物性評価と有機EL応用を行う。
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