研究課題/領域番号 |
20H02812
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
井本 裕顕 京都工芸繊維大学, 分子化学系, 准教授 (40744264)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 11,310千円 (直接経費: 8,700千円、間接経費: 2,610千円)
|
キーワード | 元素化学 / 有機化学 / 高分子化学 / 錯体化学 / 触媒化学 / 反応化学 / 有機元素化学 / 構造有機化学 / 金属錯体化学 |
研究開始時の研究の概要 |
有機物質に無機元素を導入することで、多彩な機能を実現する取り組みが盛んに行われている。しかし有機ヒ素化合物は、有用性が見込まれてきたにも関わらず、実用的な合成法が無いために実験研究が停滞している分野だった。その中で、申請者が開発した一連の合成技術によってブレークスルーがもたらされ、有機ヒ素化学への関心が急速に高まっている。本研究課題では、申請者が独自に開発した手法を駆使することで、ヒ素含有共役系分子・高分子および金属錯体を開発する。そして、ヒ素に特有の機能を詳細に解明しながらこれを最大限に活用することを目的とし、未踏領域を多く残した機能性有機ヒ素化学を世界に先駆けて切り拓く。
|
研究成果の概要 |
本研究では、実践的な合成法に基づき生み出した有機ヒ素化合物の構造・機能・物性の解明に取り組んだ。具体的には、多彩な新規共役系ヒ素化合物やヒ素含有金属錯体を合成し、その特徴を明らかにすることに成功した。共役系ヒ素化合物では、構造と発光特性の相関、励起状態でのダイナミクス、重原子効果による燐光発光性について、系統的に調査した。ヒ素配位子含有金属錯体においては、新たな配位子の合成ルートを開発したことで、合成可能な構造が大幅に拡大した。結果として、様々なヒ素配位子からなるライブラリー構築が実現し、金・銅・パラジウム・ユーロピウムなどの錯体がもたらす発光性・触媒機能・刺激応答性を明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の有機機能化学の分野ではほとんど使われてこなかった元素である「ヒ素」に対して、実用性の高い合成ルートを開発したことで多くの化合物を得ることができ、実験的手法に基づいて研究することが可能になった。結果として、従来の元素構成では達成困難であった構造・機能・反応性を実現することができた。ヒ素は、世界中に広く分布しながらも有効活用されていない元素資源であり、これを用いた機能性物質群が構築できたことは社会的意義も大きい。
|