研究課題/領域番号 |
20H02865
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
木越 英夫 筑波大学, 数理物質系, 教授 (90169839)
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研究分担者 |
吉田 将人 筑波大学, 数理物質系, 准教授 (80511906)
大好 孝幸 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90639303)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2021年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
2020年度: 7,930千円 (直接経費: 6,100千円、間接経費: 1,830千円)
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キーワード | アプリロニンA / アクチン / チューブリン / 高活性アナログ / ハイブリッド / 簡略化アナログ / タンパク質間相互作用 / 海洋産抗腫瘍性物質 / アプリシアセコステロール |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、強力かつ特異な生物活性を持つ天然物の中から、研究代表者独自の化合物であり、市販の抗がん剤を上回る抗腫瘍性および腫瘍細胞増殖抑制活性を持つアプリロニンAに注目し、この新型の作用機序を解明するとともに、人工類縁体合成を通しての高活性化合物の発見、開発を目的とする。この化合物は、二大細胞骨格タンパク質であるアクチンとチューブリンの間の相互作用を誘導することにより強力な抗腫瘍性を発現するという新型の作用機序を有しているため、抗がん剤開発などへの波及効果が期待できる。
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研究成果の概要 |
海洋軟体動物アメフラシから超微量成分として発見されたマクロリドであるアプリロニンAは、細胞骨格タンパク質のアクチンとチューブリンと三元複合体を形成することにより、前例のない強力な抗腫瘍活性を示す。本研究では、この作用機序を明らかにするとともに、この作用機序に基づく高活性アナログを開発することとした。 機能解明に必要なプローブ分子を開発するために、アプリロニンの活性を保持するアナログ分子を設計し、短段階(40段階)で合成した。また、アプリロニンの類似の構造を有し、アクチンと結合するとともに、化学プローブとしての機能が期待できるサイトファイシン誘導体を合成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然有機小分子と生体高分子の超分子を精密に解析して得られる知見は、有機小分子による分子認識機構を解明するとともに、天然有機小分子の生物学役割を理解し、医薬学的応用研究に展開する上で必須である。しかも、天然物の持つ構造多様性は、コンビナトリアル化学などの他の手法では入手できないので、天然物創薬分野へのアカデミアの挑戦が期待されている。本研究は、これまでにない型の抗腫瘍性作用機序を明らかにするための基礎的知見となる。この研究が完了すれば、新しい型(ぴか新)の抗がん剤に繋がる情報となる。
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