研究課題/領域番号 |
20H02868
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
松岡 茂 大分大学, 医学部, 特任教授 (60456184)
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研究分担者 |
石崎 敏理 大分大学, 医学部, 教授 (70293876)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | ペプチドミメティクス / 活性発現の分子機構 / 生体機能物質 / 医薬品探索 |
研究開始時の研究の概要 |
生命科学および医学・薬学の発展には新しい生理活性物質の供給が欠かせないが、近年は天然資源の枯渇により新規物質の発見が難しくなっている。大分大学で申請者らは天然物様骨格にアミノ酸側鎖を導入した独自の分子設計概念PiPiQにより、低分子ライブラリを構築している。一般的な化合物ライブラリに比べて小規模であるが、抗腫瘍活性や抗ウイルス活性など多様な生理活性試験でヒット化合物が得られる。本研究ではPiPiQ化合物の特異なケミカルスペースに隠れて広がる特徴的なアクティビティスペースを探索し、生物学研究のツール化合物および医薬品開発に有用なリード化合物を見い出したい。
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研究成果の概要 |
約200化合物からなる大分大学独自のペプチドミメティクスライブラリから、細胞を使った抗線維化in vitroスクリーニングにより、線維化阻害化合物を複数見出した。PTSAおよびITC実験により、この一部がPPIaseの特定のサブタイプに結合することが判明した。このPPIaseサブタイプのノックダウンでも同様の線維化阻害が確認された。さらに、ブレオマイシン誘導肺線維症マウスモデルでも、3つの化合物で症状の軽快化が見られた。これらの成果により、約200種類の化合物の中から肺線維症の予防/治療効果を持つ化合物を見つけることに成功した。医薬品候補化合物の有望な新しい化学空間を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
切れ味の鋭い生理活性物質の発見は生命科学の飛躍的な進歩に貢献してきたが、天然資源が枯渇している近年は新規物質の発見が困難となっており、天然物化学の従来法に代わる新しい探索手法の開発が望まれている。本研究では、生理活性ペプチドやタンパク質の部分構造から新しい低分子を設計・合成することで得られる化合物のライブラリから、医薬品のシードとして有望な複数の化合物をスクリーニングにより見出すことができることを示した。枯渇する天然資源に変わって、新規の有望なケミカルスペースを提供する方法論として、ペプチドミメティクスの有用性を示すことができた。
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