研究課題
基盤研究(B)
フグ毒テトロドトキシン(TTX)と麻痺性貝毒サキシトキシン(STX)類は、代表的食中毒原因物質である。我々はイモリから得た環状グアニジン化合物の構造から、TTXはモノテルペンから生合成されると提唱したが、海洋生物から別の前駆体化合物群を単離し、別の経路を提唱した。本研究では、海洋のTTX生合成経路を検証、拡充するために、さらにフグの新規TTX類縁体を単離・構造決定する。一方、STX生合成では、初期中間体を証明し、生合成経路を提唱した。本研究では、生合成後半部の三環形成反応機構の解明のため、必要な中間体を合成し、有毒藍藻や有毒渦鞭毛藻中の探索を行い、化学的な生合成経路の解明を目指す。
テトロドトキシン(TTX)の新規類縁体の探索を行い、フグから9-epiTTXとTb-242Bを単離、構造決定し、TTX生合成のシャント経路を推定した。イモリから1-hydroxy-8-epiTTX , 1-hydroxy-8-epi-5,11-dideoxyTTX, Tgr-288, Tgr-210, Cep-228Aを単離、構造決定し、推定生合成経路上の位置付けを考察した。初めてサキシトキシン(STX)と環構造の異なる類縁体M5-HAとM6-HAを単離、構造決定した。また、化学誘導で12beta-deoxyGTX5と12beta-deoxySTXを合成し、有毒藍藻や渦鞭毛藻から同定した。
フグ毒として知られるテトロドトキシンの生合成の解明は、食品衛生上でも重要であり、世界中で二枚貝からテトロドトキシンが検出されて以来、特に注目を集めている。その中で、化学的なアプローチにより海洋と陸上からそれぞれ新規の類縁体を単離、構造決定して、生合成経路について考察した。また、麻痺性貝毒は、現在も猛威を振るっているので、二枚貝中の新規代謝物の同定や、生合成経路の推定は学術的にも社会的にも意義がある。
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