研究課題/領域番号 |
20H02940
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38050:食品科学関連
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
高橋 恭子 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70366574)
|
研究分担者 |
中西 祐輔 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (20579411)
細野 朗 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (70328706)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
|
キーワード | マスト細胞 / 脂肪細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
マスト細胞は、アレルギー炎症を誘導する細胞として知られるが、実際には多彩な生理機能を持つことが近年注目されている。本研究では、マスト細胞が脂肪組織中にも存在することに着目し、脂肪細胞への作用を介して代謝を制御するメタボリックレギュレーターとしての役割を検証し、分子機構を明らかにする。さらに、食や腸内細菌叢への介入により、マスト細胞の機能をコントロールし、肥満、生活習慣病等を抑制する手段を見出すことを目指す。
|
研究成果の概要 |
マスト細胞はアレルギー炎症を誘導する細胞として広く知られるが、決してアレルギーを引き起こすために生体内に存在するわけではなく、近年、その多様な生理的役割が明らかにされてきている。本研究では、マスト細胞が脂肪細胞の分化・成熟を正負両方向に制御することを明らかにし、マスト細胞の新たな生理機能の可能性を示した。マスト細胞は、産生する液性因子を介して脂肪細胞の分化・成熟を抑制する一方で、細胞間の物理的接触を介して脂肪細胞の分化・成熟を促進した。また、抑制作用には、高分子量で熱感受性のタンパク性因子および細胞外トラップが関わることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、マスト細胞が脂肪蓄積の制御という新たな生理的役割を担うことが示唆され、多機能な免疫細胞として注目されているマスト細胞の新しい一面が明らかになった。近年、生活習慣病罹患者および予備軍の増加が問題となっており、肥満は、その重要なリスクファクターである。加えて、内臓脂肪の蓄積により誘導される慢性炎症が様々な疾患につながることから、マスト細胞を介した脂肪細胞の制御機構の解明とその手段の確立は、肥満の抑制や生活習慣病の予防に向けた新たな戦略につながることが期待される。
|