研究課題/領域番号 |
20H02950
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪府立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
小泉 望 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 教授 (20252835)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2023年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
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キーワード | 小胞体ストレス応答 / シロイヌナズナ / 転写因子 / 細胞質スプライシング / bZIP型転写因子 / ルシフェラーゼアッセイ / GFP / 細胞内局在 |
研究開始時の研究の概要 |
植物の小胞体ストレス応答に焦点を当て、以下の2つのテーマで研究を行う。 1)小胞体ストレス応答では細胞質スプライシングと呼ばれるユニークな機構により転写因子bZIP60が活性化される。その際、新たな読み枠から翻訳されるアミノ酸配列(ORF2)がbZIP60に付加される。研究目的は「ORF2によるbZIP60の転写活性化能上昇の分子機構の解明」である。 2)小胞体ストレス応答の研究は糖鎖合成阻害剤ツニカマイシン等の人工的処理により行われてきた経緯があり、生物学的意義は必ずしも明らかでない。そこで、ウイルス感染という生物学的ストレスを用いて「小胞体ストレス応答の生理的役割は?」という問いに答える。
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研究成果の概要 |
シロイヌナズナの小胞体ストレス応答では細胞質スプライシングにより膜貫通ドメインを持つbZIP60uがbZIP60sに変換され小胞体から核へ移行し転写因子として働く。bZIP60sは 59アミノ酸をコードする読み枠を獲得し、この配列をORF2と呼ぶ。ZIP60sはORF2を持たないbZIP60ΔCよりも顕著に高い転写活性化能を示した。ORF2のC末のNLSが実際に機能することをGFPの蛍光観察で確認した。NLS決失させると転写活性化能は低下したが、bZIP60 ΔCよりは高い値を示した。bZIP60sの活性化能の増強はタンパク質量には依存しないことが示され、タンパク質相互作用に寄与すると考えた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
真核生物は多くの転写因子を持つが、その活性化機構は多様である。小胞体ストレス応答におけるbZIP 型転写因子の活性化は細胞質スプライシングを介する非常にユニークなメカニズムによって起こる。特に興味深いのは酵母、ヒト、シロイヌナズナでは細胞質スプライシングで活性化される点では共通しているが、タンパク質の構造変化が大きく異なる点である。私たちはシロイヌナズナbZIP60の活性化に伴って新たな読み枠(ORF2)が生じることを明らかにしてきたが、その機能については全く不明であった。本研究ではORF2が転写活性化に非常に重要であることを明らかとするとともに、そのメカニズムについて多くの知見を得た。
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