研究課題/領域番号 |
20H02971
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39020:作物生産科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
石橋 勇志 九州大学, 農学研究院, 准教授 (50611571)
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研究分担者 |
濱岡 範光 九州大学, 熱帯農学研究センター, 准教授 (40778669)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 種子 / 環境ストレス / エピジェネティクス / 環境記憶 / エピジェネティク / エピゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
登熟期の環境ストレスが、次世代へ及ぼす影響をエピジェネティクス制御の視点から検討する。環境ストレスは、高温ストレスを対象とし、登熟期の高温ストレスが次世代の表現型へ与える影響を調査後、子実のエピジェネティクス変化を解析し、環境履歴エピゲノムマーカーを同定する。同定されたマーカーを用いて、従来品種の高温耐性系統を選抜し、圃場試験を実施する。本研究成果は科学的な意義に止まらず、遺伝子組換え植物ではないため、世界中で生育可能であることから社会実装へもスムーズに移行できると考える。
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研究成果の概要 |
作物の子実登熟における環境が次世代の成長に影響するか否かを目的とした本課題は、イネを供試材料とし環境を高温ストレスとした場合、次世代成長において種子発芽、草丈、分げつ、出穂・開花、止葉の形態など様々な表現型に影響することを示した。さらに、高温ストレスを経験した種子からDNAを抽出し、全ゲノムメチル化解析を実施した結果、表現型に関与する遺伝子のDNAメチル化が関与することが示唆された。さらに、これらの表現型は、一度記憶されると数年間持続する形質とそうでない形質に分かれ、記憶の程度が存在することも示唆された。以上、本研究成果より、作物の登熟過程の環境は次世代成長へ影響を及ぼすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は、現在進行形で変動する地球環境変動において、農作物の子実登熟環境が次世代成長へ影響を及ぼすことを示唆した。特に分げつ特性など生産性に関与する形質がいくつも変動する点においては、今後さらに上昇する温暖化対策において、採種場所の登熟環境などを再検討する必要があると考えられる。また、環境記憶による次世代の表現型制御がDNAメチル化を介する可能性が示唆された。今後、環境記憶された種子のQCとして種子のDNAメチル化程度を利用できると考えられ、これまで外観と発芽率のみで議論されてきた種子品質の新たな基準を提案することができる。
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