研究課題/領域番号 |
20H02986
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
晝間 敬 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20714504)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 内生糸状菌 / 病原菌 / シロイヌナズナ / 貧栄養応答 / 病原細菌 / 揮発性物質 / 病原性抑制 / 栄養 / Colletotrichum / Pseudomonas / 植物生長促進 / 貧栄養 / 植物保護 / 共生菌 / 微生物叢 / 遺伝子発現 / 窒素枯渇 / リン枯渇 / マイクロバイオーム / 共生糸状菌 / 植物栄養 / 栄養枯渇 / アブラナ科植物 / 圃場 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は、多様な微生物叢と相互作用しており、これらの微生物叢は植物の環境適応に必要不可欠な役割を担っていると考えられている。本研究では、アブラナ科植物の根に共生する糸状菌が窒素欠乏環境で特定の細菌群を根圏に誘引し、それらと協調して植物生長を促す仕組みを理解すること、および、それら根圏細菌群が有する潜在的な寄生性を共生糸状菌が抑止する仕組みを実験室および野外圃場環境で理解することを目的とする。以上から、複数種類の微生物と植物からなる複雑な相互作用機作を理解することに加えて、複数の微生物を総体として活用することで、有用微生物資材を野外環境でも安定的に発揮させることを可能とする方法論につなげたい。
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研究成果の概要 |
糸状菌Colletotrichum tofieldiae (Ct)は貧栄養環境で植物成長促進効果を示すだけでなく、根における細菌群の構成を変化させる。本研究では、Ct感染時に存在比が増大した病原型細菌に着目したところ、病原型細菌の未知の揮発性物質が病原性発現に重要であることが示唆された。この病原性発現はCtによって弱められることが判明した。一方で、貧栄養条件で病原型細菌が育った場合に放出される揮発性物質はリン欠乏下で植物の成長を著しく促進した。本病原細菌は栄養環境に応じて放出する揮発性物質の量もしくは質を変化させ、それにより植物成長にプラスからマイナスと対照的な影響を与えることが考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物の成長に有益な共生糸状菌を理解することは、共生糸状菌を活用した農業技術を開発していくためにも重要です。本研究では、共生糸状菌による病原菌抑制機構を理解する一歩として、共生糸状菌が根に誘引する病原細菌に着目して進めたところ、病原細菌由来の揮発性物質が病原性発現に重要であること、および、その病原性は共生糸状菌によって弱められることが判明しました。さらには、病原細菌を貧栄養環境下で生育させた際には、細菌から放出される揮発性物質が植物成長を促すことも発見しました。したがって、本病原細菌は栄養環境に応じて植物成長にプラスからマイナスと対照的な影響を与える揮発性物質を放出していることが考えられました。
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