研究課題/領域番号 |
20H02993
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39040:植物保護科学関連
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
飯田 祐一郎 摂南大学, 農学部, 講師 (00456609)
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研究分担者 |
中川 博之 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 高度分析研究センター, 上級研究員 (30308192)
須志田 浩稔 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 研究員 (10885510)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 植物病原糸状菌 / トマト葉かび病菌 / エフェクター / 菌寄生菌 / Dicyma pulvinata / トマト葉かび病 / 微生物間相互作用 / 生物防除 |
研究開始時の研究の概要 |
トマト葉かび病菌のエフェクターAvr2はシステインプロテアーゼインヒビターをコードしており、トマト葉が分泌するシステインプロテアーゼを特異的に抑制することで感染を有利に進める。申請者は、葉かび病菌に寄生する菌寄生菌を用いて、Avr2によって強く阻害される菌寄生菌のシステインプロテアーゼを同定し、エフェクターが拮抗微生物の分解酵素も抑制する可能性を示した。病原菌エフェクターの本来の機能は感染拡大における病原力因子である。本研究では、いまだ病原力における機能が未知な病原菌エフェクターは、拮抗菌に対する機能こそが本来の役割である、という新たな概念を提示する。
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研究実績の概要 |
植物病原菌は宿主植物の防御反応を抑制するために、エフェクターと呼ばれる低分子タンパク質を病原力因子として分泌する。一方、抵抗性遺伝子をもつ植物は、エフェクターを介して病原菌の侵入を感知するため、エフェクターは植物の抵抗性誘導因子としても機能してしまうという二面性を持っている。そのためエフェクターは、病原菌と植物との相互作用においてのみ重要とされてきた。本研究では、重要病原菌であるトマト葉かび病菌(Cladosporium fulvum)のエフェクターが、植物だけでなく他の微生物が分泌する分解酵素も抑制すること、すなわち、病原菌エフェクターが拮抗微生物に対する防御応答にも重要な役割を果たす、という「第三の機能」について、トマト葉かび病菌と菌寄生菌Dicyma pulvinataを用いて解析する。本年度は、トマト葉かび病菌のエフェクターを用いた共免疫沈降法で、新たに相互作用することが示唆された菌寄生菌D. pulvinataのタンパク質を検出し、質量分析によって解析した。その結果、複数のバンドが同一の加水分解酵素をコードすることが明らかとなった。分泌シグナルを除去し、コドンを最適化した同定タンパク質GLC74を大腸菌で異種発現・精製したところ、予想される分子量の組換えタンパク質が得られた。またトマト葉かび病菌エフェクターとGLC74の相互作用を確認した。さらに、形質転換系を用いて作出したD. pulvinata遺伝子破壊株の菌寄生性における機能解析をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
トマト葉かび病菌エフェクターとの相互作用タンパク質を同定し、機能解析まで進展している。
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今後の研究の推進方策 |
トマト葉かび病菌が分泌するエフェクタータンパク質は、糸状菌だけでなく細菌種にも機能する可能性があることから、今後は細菌の分泌タンパク質をターゲットに相互作用解析を展開する。特に、葉かび病に防除効果を示し、農薬登録もされているBacillus subtilisを対象として研究を進める予定である。
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