研究課題/領域番号 |
20H03005
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39060:生物資源保全学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
荒木 仁志 北海道大学, 農学研究院, 教授 (20707129)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 環境DNA / 種内多型 / 魚類 / 回遊性魚類 / 純淡水魚 / マイクロサテライト |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、近年発展目覚ましい「環境DNA技術」を種内多型解析ツールとして発展させ、サケ科魚類に代表される地域特異性の高い回遊魚の生物分布と遺伝的多様性を同時に評価する手法を開発する。回遊魚は日本人にとって資源・文化両面から極めて重要な存在だが、分布域における季節性や個体群の遺伝的特性に関する情報はしばしば著しく制限されている。本研究では、捕獲に依らず、河川・沿岸で採取した環境水から抽出したDNAを解析する環境DNA技術を用いて回遊魚の移住特性と遺伝的背景の関係を明らかにすると共に、本技術を用いた効果的な水圏野生動物の遺伝的背景の解析技術を確立する。
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研究成果の概要 |
サケ科魚類は水産資源として高い価値を有すると同時に、食物連鎖を介して森・川・海を繋ぐ重要な生態的役割を担っている。しかし、生活史を通して広範囲に移動する彼らの生態を網羅的に把握するのは非常に困難で、生物保全・管理上の障壁となっている。そこで本研究では広域の生物分布を効率的に推定可能な環境DNA技術を応用し、種内変異解析を可能な技術へと発展させることで、周辺生物の分布と同時にその遺伝的多様性の推定を実現した。その結果、河川水に含まれるDNAから絶滅危惧種イトウの分布とその制限要因となりうる外来種ニジマスの影響を定量的に評価できたほか、北日本のサケの系統群を明確に区別することが可能になった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サケなどの回遊性魚類は重要な水産資源であると同時に、食物連鎖を介して陸と海を繋ぐ重要な生態的役割を担っている。しかし、広範囲に移動する彼らの生態を網羅的に把握するのは非常に困難で、生物保全・管理上の障壁となってきた。そこで本研究では環境DNA技術を応用し、周辺水圏生物の在不在や分布のみならず、種内多型に関する情報の推定を試みた。その結果、希少種イトウの分布制限要因となるニジマスの影響を定量評価したほか、サケの個体群の遺伝的構成を環境水から再現することに成功した。これらの結果は水産有用種のみならず希少種・外来種管理に広く応用可能で、今後の生物モニタリングに広く適用されることが期待される。
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