研究課題/領域番号 |
20H03059
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40030:水圏生産科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
高橋 一生 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (00301581)
|
研究分担者 |
筧 茂穂 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (20371792)
一宮 睦雄 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (30601918)
増田 貴子 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (60893831)
岡崎 雄二 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産資源研究所(塩釜), 主任研究員 (90392901)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | 海洋生態系 / 気候変動 / プランクトン / 水産資源 / 食物連鎖 / 混合栄養性 / カイアシ類 / 亜寒帯太平洋 / 親潮域 / 春季ブルーム / 動物プランクトン / 混合栄養 / 混合栄養性プランクトン / 浮魚類餌料環境 / 親潮 / 食物網 / 渦鞭毛藻 / 生物生産 / 珪藻ブルーム / ブルーム / 浮魚 / 無殻繊毛虫 / 栄養塩 / 繊毛虫 / 魚類生産 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、春季ブルーム終了後も餌料性動物プランクトンの高い生産が維持される鍵として微小動物プランクトン、とくにその混合栄養性に焦点をあて、本生物群が微生物環と生食連鎖を結合、強化することによりカイアシ類群集を支え、魚類生産に繋がる食物網が形成されるという仮説のもと、各重要過程を現場観測と室内実験により検証し、親潮域浮魚資源を支える低次生物生産過程の真の姿を明らかにすることを目的とする。
|
研究成果の概要 |
本課題は混合栄養性微小動物プランクトンに焦点をあて、本生物群が微生物環と生食連鎖を結合、強化することにより親潮域の魚類生産を支える食物網が形成されるという仮説を検証することを目的とする。研究の結果、夏季の親潮域および北太平洋亜寒帯には混合栄養性無殻繊毛虫や渦鞭毛藻が優占し高い増殖速度を示すこと、また重要餌料性物であるネオカラヌス属カイアシ類はこれらを主餌料としていることが明らかとなり、仮説が支持された。混合栄養性無殻繊毛虫やネオカラヌス属カイアシ類は鉄が枯渇し硝酸塩が残存しているHNLC海域で多くなる傾向があることから、このような海域の出現が魚類生産において重要であることを示唆した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
春季親潮域の珪藻ブルームが魚類生産を支える上で重要であると理解されてきた。しかしながらこの海域に夏季以降索餌回遊するプランクトン食性小型浮魚類にこの説明は適用できない。本研究はこれらの魚類が主餌料とする動物プランクトンが、栄養塩枯渇下でも高い生産を示す混合栄養性微小動物プランクトンを主餌料としていることを明らかにした。この成果は、小型浮魚類の生産が、珪藻→動物プランクトン→浮魚類という教科書的な食物連鎖に依存しておらず、より複雑な生態系により支えられていることを意味している。気候変動が海洋生態系に大きな影響を与えている現在、この知見は生態系の変動予測や魚類資源変動を考える上で重要な知見となる。
|