研究課題/領域番号 |
20H03081
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分40040:水圏生命科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人水産研究・教育機構 |
研究代表者 |
高野 倫一 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 主任研究員 (40533998)
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研究分担者 |
杣本 智軌 九州大学, 農学研究院, 准教授 (40403993)
松浦 雄太 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(南勢), 研究員 (40823894)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 11,900千円、間接経費: 3,570千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
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キーワード | DNAワクチン / ギンブナ / ラブドウイルス / 受動免疫 / 中和抗体 / 白血球 / CD8 / DNAワクチ / 魚類 / 細胞性免疫 / 免疫 / クローンギンブナ |
研究開始時の研究の概要 |
既存の水産用ワクチンで防除可能な魚病には限界があるため、新しい技術を利用した水産用ワクチンを導入する必要がある。特に、細胞性免疫(細胞内に感染するウイルス等に対して感染防御を担う免疫応答)を惹起するDNAワクチンの導入が期待されている。しかし、魚類におけるDNAワクチンの有効性発揮メカニズムについては断片的な情報しかなく、科学的な情報の蓄積が求められている。本研究では、魚類において唯一、細胞傷害試験や白血球移入実験による細胞性免疫機能の解析が可能なクローンギンブナをモデルとして、DNAワクチン接種魚の体内で誘導される病原微生物排除機構を、細胞および遺伝子レベルから解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、魚類ラブドウイルス(CHNV)に対するDNAワクチンを接種したクローンギンブナの免疫応答を解析した。具体的には、DNAワクチン接種したギンブナの白血球をnaiveなギンブナに移植したのちCHNVで攻撃して受動免疫効果を評価した。次いで、CHNV感染させたギンブナ培養細胞とDNAワクチン接種ギンブナの白血球を共培養した際の遺伝子発現変動を網羅的に解析した。一連の解析から、CHNVに対するDNAワクチンの効果発揮には、CD8+T細胞ではなく、それ以外の白血球(CD8-白血球)の役割が重要である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
魚類用のDNAワクチン開発を加速させるためには、DNAワクチン有効性発揮のメカニズム解明が重要である。本研究では、個体間で細胞移植が可能なクローンギンブナを利用し、DNAワクチンの効果発揮にはCD8-白血球(CD8+T細胞以外の細胞)の働きが重要であることを示した。これまでDNAワクチンの効果には感染細胞を傷害するCD8+T細胞の活性化が重要だと考えられてきたため、今回得られた知見は魚類のDNAワクチン研究を新たな視点に導くきっかけになりえる。今後、CD8-白血球活性化の指標を利用することで、効果の高いDNAワクチンのスクリーニングなど、開発の効率化につながることが期待できる。
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