研究課題/領域番号 |
20H03095
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
前田 滋哉 茨城大学, 応用生物学野, 教授 (00346074)
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研究分担者 |
皆川 明子 滋賀県立大学, 環境科学部, 准教授 (70603968)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 4,200千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 11,700千円 (直接経費: 9,000千円、間接経費: 2,700千円)
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キーワード | 農業水路 / 魚類 / 土砂水理 / 環境DNA / 付着藻類 / 維持管理 / 数値計算 / 魚類保全 / 環境配慮工 / 藻類 / 流れ / 路床変動 / 植生 / 底生動物 / 流木 |
研究開始時の研究の概要 |
農業用排水路は営農活動の基盤施設であると同時に魚類の繁殖,成長,移動経路であるため,生態系に配慮した整備がなされてきた.整備後に土砂の堆積や藻類繁茂等により,魚類の生息環境は変化するが,メカニズムが十分に知られていないため,より良い事業の設計が困難である.本研究では,農業用排水路の生態環境の核といえる「底質変動」を適切にモデル化することで,物理特性の時空間変化を踏まえた魚巣・魚溜の生態価値を評価する.これにより,環境配慮事業の効果の予測精度が向上し,工期短縮,事後評価の質の改善,自然現象の不確実性に適応した施設管理が可能になる.
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研究成果の概要 |
農業用排水路の魚類保全を目的に導入された魚巣・魚溜を含む水路区間を対象に,(1)生息魚種,(2)藻類や底生動物等の魚類の餌資源,(3)土砂や糸状藻類の魚巣への堆積状況を現地調査した.(1)と(2)については環境DNA解析を用いることで,魚種の時空間変動,糸状藻類の種と量の時間変化の傾向について知見が得られた.また,魚巣内の土砂の管理効率化手法や糸状藻類が堆積しにくい魚巣規模について,流れの数値計算と流木挙動モデルを用いた解析手法を開発した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農業水路の魚類保全施設の価値を評価するには,魚類の生息環境としての良さだけでなく,施設の維持管理のしやすさの視点が不可欠である.本研究では,これまで不十分だった魚類の餌資源や魚種の時空間変動と共に,堆砂,剥離糸状藻類の挙動に注目した.本研究成果の学術的意義は,魚巣の価値を多面的かつ長期的に評価するための生態水理学的な解析例を示した点にある.この成果の社会的意義は,より価値の高い魚類保全施設の設計に有用な点にある.
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