研究課題/領域番号 |
20H03099
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41030:地域環境工学および農村計画学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
中村 公人 京都大学, 農学研究科, 教授 (30293921)
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研究分担者 |
中桐 貴生 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 准教授 (80301430)
辻本 久美子 岡山大学, 環境生命科学学域, 助教 (80557702)
濱 武英 京都大学, 農学研究科, 准教授 (30512008)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
16,380千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 3,780千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2020年度: 11,830千円 (直接経費: 9,100千円、間接経費: 2,730千円)
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キーワード | 畑地灌漑 / 土壌水分動態解析 / リモートセンシング / 精密農業 / ミカン |
研究開始時の研究の概要 |
わが国の果樹の代表であるミカンは適切な水管理によって高品質化を図ることができる作物である.農家が要望している「土壌特性の空間的不均質性を考慮した樹ごとのリアルタイムの灌水情報」を提供するための新しい解析手法を確立することを研究目的とする.そのために,経時測定が可能で,かつ空間的不均質性を反映する「葉の水ポテシャル」に着目し,これを用いて土壌水分状態を逐次予測できるようにする.研究の手順として,第一に,葉の水ポテンシャルをマルチスペクトルカメラなどによる広域遠隔観測情報から得られるかを検討する.第二に,これを組み込んだ水分動態解析におけるデータ同化手法により,逐次的な灌水情報を提供する.
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研究成果の概要 |
ウンシュウミカンの灌水指標となる葉の水ポテンシャルは,レッドエッジ波長やRGB情報,葉の変位情報から推定可能であることがわかった.また,葉面温度と気温の差は,任意の日射量条件下では,土壌水分減少量と負の相関があることが明らかになった.すなわち,これらの遠隔情報から,葉と土壌の水分状態を推定でき,灌水のタイミングと必要灌水量の予測が可能であることが示唆された.さらに,植生・土壌の水分動態を扱うことができる陸面過程モデル(SiB4)に観測データを適用した結果,土壌水分量の再現性には課題が残ったが,葉面温度と気温の差の再現性は高かった.また,直接的な土壌水分多点計測システムを構築した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウンシュウミカンの高品質化のために,樹による必要な灌水の違いを考慮することを目的とした場合,それぞれの樹の必要灌水量を推定できる遠隔情報が葉面温度であること,灌水のタイミングの指標となる葉の水ポテンシャルを推定できる情報がレッドエッジ波長,RGB情報,葉の変位情報であることを示したことは,ミカンの品質向上のための精密水管理手法を実用化していく上で意義あることと考えられる. また,廉価な土壌水分センサーを用いた土壌水分量の直接的な多点観測システムの基本を構築したことは,水管理によって品質向上を目指す園地管理者に有用な選択肢を与えることができたと考えられる.
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