研究課題/領域番号 |
20H03133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分42010:動物生産科学関連
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
草間 和哉 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (30579149)
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研究分担者 |
堀 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70211547)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | 胎盤 / トロホブラスト / 着床 / 内在性レトロウイルス / ウシ / 細胞融合 / 内在性レトロウイルス因子 |
研究開始時の研究の概要 |
正常なウシの胎盤形成には、受精胚および胎盤の構成細胞であるトロホブラスト細胞の融合が必須である。しかしながら、胎盤形成に必須のトロホブラスト細胞の融合機構の詳細は未だ不明である。そこで本研究は、ウシ特異的内在性レトロウイルス因子(ERVs)発現を中心に、ウシトロホブラスト細胞融合の分子メカニズム、胚着床によるゲノムの状態変化、子宮内環境の細胞融合への影響、ウシ融合トロホブラスト細胞の役割について解析することで、子宮内で起こるトロホブラスト細胞の融合機構から胎盤形成・妊娠維持のメカニズムを明らかにする。この成果は、早期胚死滅の原因解明および抑止につながり、畜産基盤を強固にする基礎研究となる。
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研究成果の概要 |
ウシの妊娠率は低下の一途をたどっており、その改善には至っていない。原因として胎盤形成不全が考えられるが、その機序は不明である。本研究は、ウシ胎盤トロホブラスト細胞において内在性レトロウイルス由来因子(ERVs)発現調節機構と胎盤形成の関与を明らかにするため、全遺伝子を精査した。その結果、ウシ胎盤組織において2種のERVs因子が着床を境に胎盤形成に必要な2核トロホブラスト細胞に発現することを明らかにした。さらにそれは転写因子PPARγが関与していることを同定した。さらに細胞にPPARγ活性化刺激を与えると、ERVs遺伝子発現が上昇し、2核細胞を増加させた。着床後のウシ胚でも同様の変化が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、妊娠の維持に必須の胎盤形成のメカニズムの一端を明らかにした。胎盤形成においてその構成細胞であるトロホブラストの2核化が多くみられる。しかしながらその形成機序は不明であった。本成果は、機能が未だ不明な内在性レトロウイルス由来因子(ERVs)が関与しており、それらをPPARγ活性化により制御できることを明らかにした。これは、畜産現場で問題となっている着床・胎盤形成不全による早期胚死滅の原因解明および、その抑止につながる成果である。
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