研究課題/領域番号 |
20H03188
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43010:分子生物学関連
|
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
三好 啓太 国立遺伝学研究所, 遺伝メカニズム研究系, 助教 (20423395)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
|
キーワード | レトロトランスポゾン / 細胞外微粒子 / piRNA / トランスポゾン / ショウジョウバエ / 転移因子 / レトロウイルス / 内在性レトロウイルス / 細胞間情報伝達 / 卵巣性体細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な生物のゲノムに存在する転移因子は、ゲノム進化の推力であるともに、ゲノム安定維持の脅威でもある。そのため、宿主により転移因子の発現は適正に制御されている。ショウジョウバエにおいて、転移因子の一つである内在性レトロウイルスの一部は、卵巣性体細胞内で過剰発現し、細胞外微粒子として生殖細胞へ伝播され、ゲノムに新たに挿入される。これは非常に興味深い事象でありながら、どのように粒子が形成・伝播され、どのような生理的意味を持つのか、明らかにされていない。本研究では、内在性レトロウイルス由来の細胞外微粒子の生理的意味を解くため、生化学および遺伝学的な解析から、その形成と伝播機構の包括的な理解を目指す。
|
研究成果の概要 |
様々な生物のゲノムに存在する転移因子(TE)はゲノム進化の推力であるともに、ゲノム安定維持の脅威でもある。そのため、宿主により転移因子の発現は適正に制御されている。転移因子発現制御機構が欠失したショウジョウバエ変異体において、転移因子である内在性レトロウイルス(ERV)の一部が卵巣性体細胞内で過剰発現し、細胞外微粒子として生殖細胞へ伝播されていることが報告されている。正常な卵巣でもERVの発現が観察されることから、ERV細胞外微粒子を介した細胞間情報伝達機構の存在が期待される。本研究では、どのようにERV粒子が形成・伝播され、どのような生理的意味を持つのか、その包括的な理解を目指した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年では、エキソソームを代表とする細胞外小胞が分泌細胞由来の核酸やタンパク質を内包・伝播し、組織間や細胞間連携の役割を担うことが示されている。本研究対象であるERV粒子の形成・伝搬機構は、未知の細胞間輸送機構研究の発展につながると期待できる。また、ERV粒子は内因性であることから受け手側細胞における免疫回避が考えられ、ERV粒子の性質は外因性ウイルスとは異なると考えられる。その違いの解明は、「自己と非自己の認識」という生物学的に非常に重要な問いの解明になる。
|