研究課題/領域番号 |
20H03217
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分43040:生物物理学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
石北 央 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00508111)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
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キーワード | 人工光合成 / プロトン移動 / 電子移動 / タンパク質 / X線結晶構造解析 / 水分解酸素発生 / 電荷分離 / 結晶構造 / 光化学系II / プロトン共役電子移動 / 水分解・酸素発生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、蛋白質結晶構造に理論化学的手法を駆使し実施する。電子移動経路中のクロロフィル分子間のカップリング、励起サイトエナジー、1電子還元・1電子酸化電位、電荷分離状態等を評価し定常状態だけでなく励起状態の解析も行う。(PbRC, PSIIとは異なり)対称的に配置される2つの電子移動経路共に電子移動が起こるPhotosystem I (PSI)もあわせて同一の解析を実施することで、PbRC, PSIIの蛋白質環境・蛋白質分子構造因子の寄与を浮き彫りにする。さらに(同じ非対称電子移動の枠組みで語られる)PbRC, PSII間でも、大きく異なると示唆されている両者の電荷分離機構の解明も目指す。
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研究成果の概要 |
光合成反応中心タンパク質における電子移動に関する理論化学的研究を行った。typr-I reaction centerでは、heliobacteria反応中心(HbRC)と green sulfur bacteria由来 の反応中心(GsbRC)におけるクロロフィルを介した二つの電子移動経路に関して酸化還元電位を全て明らかにした。photosystem I (PSI)を含めて皆同じtype I 反応中心とよばれるものの、その酸化還元電位、つまるところコファクター間の酸化還元電位はそれぞれ大きく異なる様子が明らかとなり、論文発表を行った。鉄硫黄錯体に関する研究を実施し、論文発表も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
紅色光合成細菌の反応中心(PbRC)、Photosystem II(PSII)、Photosystem I(PSI)では、光励起・電荷分離反応を介してエネルギー変換反応を行う。PbRC, PSIIにおける「(構造の)対称性の中における(電子の振る舞いの)非対称性」という疑問は、「PbRC三次元構造の決定」(ノーベル化学賞、1988年)によって鮮明に打ち出された。数年後のMarcusによる「電子移動反応理論への貢献」(ノーベル化学賞、1992年)といった有用な理論の出現もあった。本研究の結果は、これら基礎自然科学の長年の問いへの分子化学の観点からの解となる。
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