研究課題
基盤研究(B)
タンパク質の翻訳後修飾についてはこれまで詳細に調べられてきたが、リボソーム上でタンパク質が合成されている最中に起きる共翻訳修飾について我々はどこまで理解しているだろうか?本研究ではその問いに答えるためのテクノロジーを創出するとともに、翻訳中に起きる様々な化学修飾を系統的かつ大規模に同定することを目的とする。さらに共翻訳修飾を生化学的・情報学的に特徴づけ、機能解析をおこなう。本研究では、その概容が不明であった共翻訳修飾の全貌と機能的意義に迫る。
開発した新生ペプチド大規模解析技術pSNAP法やパルスSILAC法(と種々の 生化学濃縮技術を組み合わせることで、リン酸化、アセチル化、ミリストイル化などの共翻訳修飾を系統的に同定することが可能になった。まず、液液抽出法と 変則LCグラジエントを組み合わせることで、共翻訳修飾の一つであるN-ミリストイル化をプロテオームワイドに同定・定量する技術を確立した。さらに、簡便なピペットチップ型のN末端(アセチル化)濃縮法を確立した。同定した新生タンパク質へのリン酸化やアセチル化は、新生タンパク質の安定性を制御することが分かり(未発表)、その機能的意義の一端の理解に本研究は貢献した。
これまでの生化学やプロテオミクスでは細胞内の総タンパク質を対象として翻訳後修飾を調べることが主流であった。一方、本研究では翻訳途中の新生ポリペプチド鎖や翻訳直後の新生タンパク質を単離して、共翻訳修飾を系統的かつ大規模に解析した。新生タンパク質に選択的に起きる修飾が想像していた以上に多く、それはタンパク質を安定化したり分解に導いたりと様々な機能的意義をもつことを本研究により見出した。これは基礎生物学への理解に貢献するものである。
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