研究課題/領域番号 |
20H03268
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分44020:発生生物学関連
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研究機関 | 神戸大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
宮西 正憲 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80542969)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 造血幹細胞 / 自己複製能 / 細胞分化 / Hox遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
造血幹細胞(HSC)は、自己複製能と多分化能を有する血液細胞と定義づけられる。造血幹細胞の一部は、細胞分裂に伴いその機能の一部を失いながら段階的に分化を続け、最終的に様々な成熟血液細胞となる。HSCは、自己複製能と分化のバランスを保つことで生涯にわたりその機能を維持することができるが、どのようにそのバランスが保たれているか、そのメカニズムはほとんど不明である。本研究では、独自に開発した長期造血幹細胞特異的レポーターシステムを用いることで、自己複製能がどのようにして維持され、また破綻していくのか、そのメカニズムの全容を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
Hoxb5の発現により、造血幹細胞(HSC)分画は自己複製能を消失することなく、長期に渡り造血システムを維持する事が明らかになった。加齢の過程において、HSC分画内でHoxb5を特異的に発現する長期造血幹細胞(LT-HSC)が選択的に増大する。この変化は、自然老化のみならず、移植後や化学療法後の骨髄内においても再現され、普遍的な変化であると考えられる。またLT-HSC特異的な解析から、生涯に渡りLT-HSC自身の細胞分化は造血の恒常性を保つような柔軟性を有しており、加齢に伴う骨髄球系優位な細胞分化も、ミエロイドバイアスHSCの濃縮ではなく、LT-HSCの濃縮により惹起されることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
HSCを用いた細胞治療、再生医療技術開発は世界的にもホットな研究分野である。一方で、これまでの開発研究成果を用いた先行する臨床試験の結果から、治療効果やその持続期間等の技術的な面、さらには腫瘍化等の安全性の面、両方において課題が明確になっている。その大きな理由としては、移植時におけるドナー細胞に起きうる変化を正しく理解する技術、ノウハウが不十分であったことが考えられる。今回、我々が新たに発見した、造血幹細胞における自己複製能の維持、破綻のメカニズム、さらにはその生理的な意義は、上記の課題を解決し、安全かつ効果的な治療技術開発に大きく貢献しうるものである。
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