研究課題/領域番号 |
20H03439
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
村野 健作 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (80535295)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 8,580千円 (直接経費: 6,600千円、間接経費: 1,980千円)
|
キーワード | トランスポゾン / 生殖細胞 / 転写共役抑制 / 小分子RNA / SUMO / 転写抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
Nxf2による転写抑制機構を明らかとするために、ラパマイシンを用いた新生mRNA上へのNxf2誘導係留システムの構築を目指す。そのシステムを用いてNxf2と相互作用する協働因子、あるいはRNA polymerase IIによる転写を正に制御する標的因子の同定を目指す。また、NET-seq法を用いてRNA polymerase IIのCTDリン酸化修飾の経時変化を詳細に観察し、Nxf2が標的としている転写段階を特定する。特定した転写段階に及ぼす同定因子とNxf2の影響を評価検証する。
|
研究成果の概要 |
ヒトを含む真核生物の生殖細胞では、トランスポゾンの転移と増殖を制御するため、配列情報をもつ小分子RNA(piRNA)とPiwiの複合体によりトランスポゾンの転写反応を抑制している。Piwi-piRNA複合体によりリクルートされたPanx-Nxf2複合体が転写抑制を引き起こすことがわかっているが、その詳細な分子機構はわかっていない。本研究では、Piwi-piRNA複合体によってトランスポゾンの新生RNA上へリクルートされたPanx-Nxf2複合体は、SUMO修飾を受けることでトランスポゾンの転写を抑制していることが明らかとし、SUMO分子がトランスポゾン制御の中核をなす可能性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
凝縮したクロマチン構造(ヘテロクロマチン)によって抑制されているというトランスポゾン制御の従来モデルに対し、ヘテロクロマチン非依存的な抑制機構の解明は進んでいない。本研究では、翻訳後修飾の一つであるSUMO修飾が、トランスポゾン転写反応抑制機構の要であることを示唆している。トランスポゾンの脱抑制は生殖機能、つまり次世代継承の破綻を意味する。本研究で明らかとなった生殖組織におけるトランスポゾン制御のメカニズムは、生殖医療の発展に向けた基盤情報となるだろう。
|