研究課題/領域番号 |
20H03450
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高田 穣 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (30281728)
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研究分担者 |
牟 安峰 京都大学, 生命科学研究科, 特定助教 (20894455)
勝木 陽子 京都大学, 生命科学研究科, 特定講師 (00645377)
望月 綾子 京都大学, 生命科学研究科, 研究員 (80817148)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | SLFN11 / 複製ストレス / 複製フォーク / RAD51 / DNA2 / MRE11 / 癌化学療法 / DNAファイバー法 / SLFNファミリー / ファンコニ貧血 / 複製フォーク分解 / FANCD2 / 複製フォーク停止 / DNA損傷 |
研究開始時の研究の概要 |
SLFN11遺伝子はSLFNファミリーの一つであり、そのがん細胞における発現は、多くの抗がん化学療法剤の殺細胞活性や高感受性と相関し、患者にとって良好な予後因子となるとされている。しかし、SLFN11の機能とそのメカニズムはいまだ明らかではない。我々は、SLFN11発現によるDNA損傷感受性増大がDNA複製フォークの分解促進に起因することを発見した。本研究ではそのメカニズムを明らかにするため、フォーク保護因子・分解因子にSLFN11発現が及ぼす影響に着目して解析する。また、SLFN11類似のファミリー分子も同様の機能を持つかどうか、検討する。本研究の成果は、より良いがん治療法開発に貢献する。
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研究成果の概要 |
SLFN11遺伝子はSLFNファミリーの一つであり、そのがん細胞における発現は、多くの抗がん化学療法剤の殺細胞活性や高感受性と相関し、患者にとって良好な予後因子となるとされている。しかし、SLFN11の機能とそのメカニズムはいまだ明らかではない。我々は、SLFN11発現によるDNA損傷感受性増大がDNA複製フォークの分解促進に起因すること、そのメカニズムとしてフォーク保護因子のRAD51集積を低下させることを見出した。さらに、SLFN11の各ドメイン構造の機能や、構造が類似した他のSLFNファミリーの機能検討をすすめ、マウスのSLFN11ホモログ候補を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
SLFN11機能の解明は、抗がん化学療法の効果の理解、改善法の開発などへの発展が期待できる。造血幹細胞に高発現しているため、造血幹細胞におけるDNA損傷応答の解明にも寄与し、まれな難病で造血不全を呈するファンコニ貧血症の新たな治療ターゲットとしても期待される。また、SLFN11は、類似遺伝子ファミリーが多数存在し、進化上急速に多様化している。おそらくそれに関連してウイルス感染防御に機能するなどの免疫系における役割が示唆されている。SLFNファミリー全体の機能を理解することは、免疫系とDNA損傷や複製ストレス応答の接点の全体像解明に重要な意義があると考えられる。
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