研究課題/領域番号 |
20H03493
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
木村 宏 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30303621)
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研究分担者 |
奥野 友介 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 教授 (00725533)
渡辺 崇広 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (10624398)
川田 潤一 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20532831)
伊藤 嘉規 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20373491)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | Epstein-Barrウイルス / 悪性リンパ腫 / 欠失ウイルス / EBウイルス / 腫瘍原性 / リンパ腫 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は慢性活動性Epstein-Barr virus (EBV) 感染症に対して、網羅的遺伝子解析を行い、高率にEBV遺伝子の一部が欠失していることを発見した。本研究では、欠失ウイルスがEBV関連腫瘍で普遍的にみられる事象なのか、一部の疾患に限定しているのかを明らかにする。具体的には、様々なEBV関連腫瘍の腫瘍組織を集積し、Whole EBVシーケンシングを行う。この過程で、疾患特異的に欠失しているEBV遺伝子を同定する。次いで、それらのEBV遺伝子を欠失した変異ウイルスを再現・作成し、培養細胞を用いたin vitroおよびヒト化マウスを用いたin vivoモデルにより、当該遺伝子の役割を解明する。
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研究成果の概要 |
近年、Epstein-Barr virus (EBV) はウイルスゲノムの特定部位の欠失が腫瘍化と関連していることが示唆されている。本研究では、10以上のEBV関連疾患、990株を対象に、ターゲットキャプチャー法においてリシークエンス解析したところ、EBVゲノムの欠失は、EBV関連血液悪性疾患で高頻度である一方、伝染性単核球症や移植後リンパ増殖性疾患、上皮性悪性腫瘍においては低頻度であることを明らかにした。欠失頻度の高かった遺伝子をノックアウトした変異ウイルスを作成し、培養細胞を用いたin vitroおよびヒト化マウスを用いたin vivoモデルにより、ゲノム欠失の役割を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リンパ腫以外のEBV関連腫瘍のWhole EBVシーケンシングを行い、先行研究で我々が見出した欠失ウイルスがEBV関連腫瘍で普遍的にみられる事象であるのか、リンパ腫に限定しているのか、さらには疾患特異的な遺伝子欠失が存在するのかを解析している。得られた知見は、EBV関連リンパ腫のみならず上咽頭がん・胃がんなどEBV関連上皮系腫瘍に共通する分子機構、さらには他の腫瘍ウイルスの発がんメカニズムを解き明かすと考えている。また、新たな腫瘍抑制機構が解明されれば、新規がん治療開発に発展しうるため、革新的な創薬・新たな産業の育成が期待できる。
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