研究課題/領域番号 |
20H03523
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
大木 理恵子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 独立ユニット長 (70356252)
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研究分担者 |
清野 透 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, プロジェクトリーダー (10186356)
小嶋 基寛 国立研究開発法人国立がん研究センター, 臨床開発センター, ユニット長 (30338470)
陳 ヨ 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (40838900)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | がん / 神経内分泌腫瘍 / Akt / 神経内分泌腫瘍抑制 / PHLDA3 / がん抑制遺伝子 / p53 |
研究開始時の研究の概要 |
応募者らは、PHLDA3ががん抑制遺伝子であり、Akt抑制因子をコードしていることを明らかにした。また、①膵NET症例解析から、おおよそ7割の症例でPHLDA3機能が失われていること、②PHLDA3機能が失われている膵NET患者の予後は不良で、がんの悪性度が高いことを示した。本研究では、PHLDA3遺伝子欠損NETマウスモデルおよびNET細胞株を対象に、正常な神経内分泌組織から前がん病変、さらには悪性NETへと変化する過程を分子レベルで解析し、NET発症の進行とともにどのような細胞内シグナルの異常が生じるか、その分子メカニズムを解明する。また、ヒトNETコホートを用いた網羅的ゲノム解析の結果とマウスモデル等から得た結果とを比較検証する。
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研究成果の概要 |
さまざまな臓器に発生する神経内分泌腫瘍(NET)は希少がんである。2011年には膵NETの全エキソーム配列が解析され、それ以降、下垂体や肺NETのゲノム解析も報告されたが、代表的ながん遺伝子やがん抑制遺伝子の異常はほとんどなく、未だ腫瘍発生機序は十分に解明されていない。NET発症メカニズムを解明し、その知見に基づく有効な治療法や予防法の確立が望まれている。本研究によって、PHLDA3による臓器を超えたNET共通のがん化制御経路が存在すること、NET共通の発症・悪性化のメカニズムを世界に先駆けて解明することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
NETという全身に分布する神経内分泌系の細胞から発生する希少がんがある。最近30年間に、NET患者の総数が5倍以上に増加したとされており、世界レベルでNET患者が増加している。また、日本のNET患者は米国の3倍であるという報告もあり、特に日本で研究すべき疾患である。いずれの臓器のNETも希少がんであり、NET症例の収集には多大な努力を要する。応募者らは症例を収集し、膵臓、肺、下垂体NETのゲノム解析を進めた。本研究によって、様々な臓器に発生するNETを統合して扱うことができるようになる可能性が高いため、NETの研究開発が大きく推進し、新規診断・治療法の開発に結びつくと考える。
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