研究課題/領域番号 |
20H03530
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小薗 真吾 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40706850)
|
研究分担者 |
進藤 幸治 九州大学, 大学病院, 助教 (00788432)
木庭 遼 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10866776)
水内 祐介 九州大学, 大学病院, 助教 (20849088)
久保 真 九州大学, 医学研究院, 准教授 (60403961)
宮坂 義浩 福岡大学, 医学部, 講師 (40507795)
水元 一博 九州大学, 大学病院, 准教授 (90253418)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
|
キーワード | オルガノイド / CAF / Niche factors / 膵星細胞 / ハイスループットスクリーニング / 膵癌 / 癌間質相互作用 / 化合物ライブラリー / Pin1 / テーラーメイド治療 / PDXマウス / desmoplasia / 微小環境因子 |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌に対する新規抗癌剤の開発は困難を極めており、その原因として、ヒトの膵癌組織で認められるdesmoplasiaと言われる著名な間質増生による癌間質相互作用の関与があり、これを考慮した薬剤のスクリーニング法の開発が望まれる。本研究では、新しい間質細胞を利用したヒト膵癌組織由来のオルガノドの開発とそのライブラリーを樹立し、ハイスループットスクリーニングの技術により新規抗癌剤のスクリーニングを行い、癌間質相互作用の存在下においても抗癌作用を示す薬剤を同定する。また、本研究により確立したスクリーニング技術を応用して、患者個々の抗癌剤感受性を検査する方法を確立し、テーラーメイド治療を実現させる。
|
研究成果の概要 |
本研究の目的はヒトの膵癌組織から樹立したオルガノイドを利用して膵癌に対する新規の抗癌剤をスクリーニングするシステムを開発することである。ヒト膵癌切除組織よりオルガノイドを樹立し組織標本と比較することで、分化度が高いほどCAFが供給する微小環境因子に強く依存しており、新たな治療標的になり得ることが分かった。オルガノイドとCAFの共培養ではCAFの有無によって分化度が変化する分化可塑性を示しており、微小環境因子依存性の違いに応じて、薬物治療反応性の差異を認めた。PSC単培養での薬剤スクリーニングのアッセイ系を構築し、既承認薬ライブラリーから膵癌に対して腫瘍縮小効果を示す化合物を同定した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
3D培養モデルを使ったヒト膵癌オルガノイドとCAFを共培養することで、膵癌の分化度に応じて微小環境因子への依存性が異なることがわかった。分化度が高いほど微小環境因子への依存性が高く、CAFの有無によって分化度が変化する分化可塑性を示していたため、微小環境因子依存性を評価することが新たな治療標的になり得ることが示唆された。CAFの1つであるPSCを用いたスクリーニングシステムを構築することで、新たな膵癌の治療薬となり得る化合物を同定することができた。このスクリーニングシステムを応用することで、新たな抗癌剤治療薬の開発につながると期待される。
|