研究課題/領域番号 |
20H03599
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
菊知 充 金沢大学, 医学系, 教授 (00377384)
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研究分担者 |
横山 茂 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (00210633)
吉村 優子 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (70597070)
廣澤 徹 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 准教授 (80645127)
AN KYUNGMIN 金沢大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80866054)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2021年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / 脳磁図計 / 多動性障害 / 認知障害 / 遺伝子 / 認知機能 / 発達障害 / 遺伝子多型 / 表現型 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、自閉スペクトラム症(以下ASD)の社会性の障害のみならず、視覚、聴覚、体性感覚、運動における多様性に着目し、ASD幼児期の脳活動の特徴と、遺伝子多型を考慮しながら、ASDに多様性が生じるメカニズムを解明する。今回は社会性のみならず、運動機能、感覚特性、言語発達、実行機能等の行動評価を行い、同時に幼児用脳磁図計(以下MEG)をもちいて脳活動の特徴を数値化する。その上で、ASDや言語発達との関連が報告されている遺伝子多型との関連を検証する。多様な表現型と脳機能および遺伝子の関連を調べることで、ASDの表現型の多様性を踏まえた病態メカニズムの解明を進める。
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研究成果の概要 |
自閉症児の脳機能の特徴について、興奮・抑制系バランスや40Hz聴覚応答の測定結果を生理学的指標として評価した。さらには運動に着目し、Phase Amplitude Couplingという指標を用いて自閉スペクトラム症の診断精度を88.6%と報告した。さらには安静状態の脳内ネットワーク解析により、ASDの特徴やスモールワールド性の低下と社会性の関係を報告した。遺伝子多型との関連性も解析し、ASDの病態メカニズムを細分化した理解を進めた。これら一連の研究により自閉症の多様性の内的構造、脳機能の特徴と表現型の関連について学術的成果を挙げた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ASD(自閉症スペクトラム障害)は、根本的な治療は困難である。個々の特徴を客観的に評価し、適切なサポートに繋げることで、日常生活の困難さを軽減することが期待できる。ASD児の脳の発達パターンは、個々の多様性が非常に高い。この多様性を踏まえ、発達障害に関する事実を客観的に可視化し、家族や療育者が理解することで、疾患そのものへの理解が進み、周囲のサポートが促進されることが期待される。本研究では、幼児期のASDの多様性に対応した脳活動の特徴について報告し、特定の遺伝子多型が特定の表現型の違いに関与することも報告した。ASDの多様性を明らかにして、社会的な理解とサポートの向上につながると期待される。
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