研究課題/領域番号 |
20H03608
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 公益財団法人東京都医学総合研究所 |
研究代表者 |
新井 誠 公益財団法人東京都医学総合研究所, 精神行動医学研究分野, プロジェクトリーダー (80356253)
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研究分担者 |
永田 栄一郎 東海大学, 医学部, 教授 (00255457)
永井 竜児 東海大学, 農学部, 教授 (20315295)
瀧澤 俊也 東海大学, 医学部, 教授 (70197234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,200千円 (直接経費: 4,000千円、間接経費: 1,200千円)
2021年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2020年度: 6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
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キーワード | 統合失調症 / 終末糖化産物 / 精神病様体験 / 糖化ストレス / 酸化ストレス / メンタルヘルス / 東京ティーンコホート / グリケーション / ライフステージ / ペントシジン / 出生コホート / 精神病発症リスク / カルボニルストレス / 精神疾患 / 精神病様症状 / 指尖AGEs / 思春期コホート / ライフコース / 糖化 / 胎生期 / 思春期 |
研究開始時の研究の概要 |
糖化ストレスは、糖尿病や心疾患、認知症等の重要疾患のリスク因子であるが、心身の発達と精神的健康度に与える影響とその分子基盤は未解明である。本研究は、胎生期~思春期・青年期のライフステージにおける糖化ストレスの暴露が精神疾患のリスクを高めるという作業仮説を検証する。コホート研究を用いた疫学研究との連携のもと、精神疾患好発期である思春期縦断的に糖化ストレスプロファイルデータを検証する。統合失調症を含む精神疾患の予防・治療・支援において、これまでとは作用機序の異なる糖化ストレスを標的とした介入点・介入法を創出する。
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研究成果の概要 |
早期のライフステージにおける糖化ストレスの中枢神経系への脆弱性が将来の精神疾患リスクを高めるという仮説を着想した。バイオリソース、動物・細胞モデルを活用して、糖化制御の逸脱がいつどのように生じるのか、何が修飾要因として精神病様体験や統合失調症発症リスクといった健康アウトカムへ影響を及ぼすのかを明らかにする事を目指した。本研究課題の推進により、糖化ストレス高値が、将来の精神病症状の持続を予測することを明らかにした。また、ゲノム解析、遺伝子発現解析から、miRNAが糖化ストレスと関連すること、さらに統合失調症の剖検脳解析から、糖化ストレス蓄積の脳内脆弱部位の一端も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
思春期の精神病症状様体験や筋低下、思考の問題が糖化ストレスと関連する学術的発見をした。特に、指尖AGEs測定は、非侵襲的に糖化ストレスを計測できることから、健診に組み込むなど、地域社会における精神的健康度を診断するツールのひとつとして身近で役立つ可能性があり、社会における波及効果も高い。また、糖化ストレスとゲノム構造との関連、AKR1A1機能やmiRNA発現との関連、脳内糖化脆弱部位を明らかにした。これらの所見は、糖化ストレス病態を模倣した動物・細胞モデルの構築へと展開が期待できる。多面的なAGEsを介した生物学的基盤の解明は、糖化制御を標的とする新たな先制医療、そして社会還元が期待できる。
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