研究課題
基盤研究(B)
消化管粘膜増殖帯に存在する幹細胞群、もしくは一部の成熟細胞群がどのように癌起源細胞へと変質し、また増殖・浸潤・転移能を獲得していくのかを、周囲の微小環境とともに時系列的に可視化し、また単一細胞レベルの転写・免疫プロファイリングによってその分子学的機序を解析し、消化管癌の発生進展メカニズムを考察する。
本研究ではマウスモデルを用いて胃癌起源細胞の増殖・拡大様式と癌組織構成細胞の進展様式を、単一細胞レベル解析・空間解析を含むオミクス解析により分子学的に検証した。胃癌の主たる起源細胞は上皮幹細胞であり、主細胞などの成熟分化細胞からの脱分化はほとんど寄与しないことを系譜追跡実験により明らかにした。遺伝子改変マウスと単一細胞レベルの解析により、幹細胞の増殖・分化にRspo3/Lgr4シグナルが重要であることを示した。胃癌を発症する遺伝子改変モデルの検討により、腫瘍細胞の遺伝子変異により特徴的な分子の高発現が生じ、それにより周囲微小環境の理モデリングが生じることがわかった。
胃癌発生段階における癌起源細胞とその周囲微小環境の変化の詳細解析により、胃発癌の分子学的メカニズムの一端が明らかになった。癌起源細胞とその周囲微小環境の変化を独自の遺伝子改変マウスの解析により、前癌病変・早期癌・浸潤癌・転移性癌の分子学的相違を明らかとなり、癌進行度別・サブタイプ別の病態理解が促進された。本解析によって得られたデータは、癌の予防および治療戦略を構築する上で極めて重要な新規創薬シーズとなると考えられる。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 4件、 査読あり 12件、 オープンアクセス 3件)
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