研究課題/領域番号 |
20H03723
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
安藤 弘樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 特任准教授 (70462786)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
|
キーワード | ファージ / 合成生物学 / ファージセラピー / ファージ療法 / バイオロジクス |
研究開始時の研究の概要 |
ファージは細菌に感染する天敵ウイルスである。多剤耐性細菌感染症が社会問題化するなかで、ファージを用いた治療法「ファージセラピー」が注目されている。従来のファージセラピーは、ファージそのものか、ファージが持つ溶菌酵素を利用するというものだった。申請者は従来のアプローチが直接的で効率的、費用対効果にも優れていることを理解する一方で、潜在的に有用なファージや溶菌酵素を見逃しているアプローチであるとも考えている。本研究では、ファージの単離を経ない次世代ファージバイオロジクスの創出を目指し、またその有用性を実証することで、ファージセラピーにおける新しいアプローチを提案する。
|
研究実績の概要 |
昨年度、大幅な遅れが生じたものの陽性対照となる遺伝子Aを準備することができた。これにより、塩基配列の抽出、コドン最適化、合成、クローニング、発現、標的細菌に対する殺菌性評価、を一つのプラットホーム上で実施できるようになった。
遺伝子情報が集められたデータベースから、標的細菌に活性を示す可能性があり、論文等で機能解析が行われていない遺伝子を約200種類抽出した。大腸菌内での効率的な発現を実現するために、遺伝子Aに対して行ったのと同様の方法でコドンを最適化して合成した。この際、5'端と3'端にin vitro DNA assembly用の共通配列を付加し、次のクローニング作業をハイスループット化した。
発現ベクターへのクローニング後、プラスミドを抽出し、各遺伝子の配列を確認した。変異が生じていたものについてはクローニングからやり直した。その後、大腸菌内で遺伝子発現を誘導し、超音波処理により菌体を破壊、粗抽出物を得た。これを標的細菌上に滴下することで各遺伝子産物の溶菌活性・抗菌活性の有無を判定した。複数の遺伝子産物が溶菌活性・抗菌活性を示した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度の遅れが響いており、進捗はやや遅れている。
|
今後の研究の推進方策 |
溶菌活性・抗菌活性を示した遺伝子産物を精製して、活性など詳細を調べる。また、精製産物を用いたファージセラピー実験を行う。
遺伝子産物のドメイン構造を予測し、ドメインスワッピングによる特異性の変化や機能性の向上を試みる。
|