研究課題/領域番号 |
20H03726
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
滝口 雅文 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, シニア教授 (00183450)
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研究分担者 |
近田 貴敬 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 特任講師 (60749711)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | HIV-1 / 細胞傷害性T細胞 / 完治療法 / 逃避変異 |
研究開始時の研究の概要 |
HIV-1は高変異性ウイルスでヒトゲノム内に潜伏するために、完治治療が極めて難しい。完治治療を達成するには、cART治療中に潜伏感染ウイルスを活性化させ、活性化させたHIV-1潜伏感染細胞を認識する免疫を誘導させる必要がある。本研究では、これらの問題を解決するために、有効な免疫能の同定とその誘導に焦点を絞った以下のような研究を行う。 1.逃避変異を持ったHIV-1の増殖を強く抑制できる高感度なT細胞を同定。 2.cART治療患者で、HIV-1不変領域を認識するか逃避変異を認識できる強いHIV-1増殖抑制能を持ったT細胞を誘導する方法の開発。これにより完治治療に繋げる技術の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
複数の抗HIV-1薬による治療中の患者からHIV-1を完全に排除する治療を確立するためには、HIV-1潜伏感染細胞を認識するT細胞を誘導させる必要がある。本研究では、HIV-1の免疫逃避変異を認識できるCD8+T細胞の同定と、ナイーブT細胞からHIV-1の増殖を抑制できるCD8+T細胞の誘導を試みた。前者では2つの変異エピトープ(PolRI8-6VおよびNefFF9)特異的T細胞を変異ウイルス感染者で同定し、これらのT細胞が変異ウイルス感染細胞を認識することを明らかにした。後者ではSTINGリガンドを用いてナイーブT細胞からHIV-1増殖抑制能を持ったHIV-1特異的T細胞の誘導に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性のウイルス感染症には、HIV-1以外にも肝炎、HTLV-1、ヘルペス感染症等があり、これらの感染症での原因ウイルスの排除は医学的にも非常に重要である。その中でもHIV-1感染症は、ウイルスの変異が最も激しく、ウイルスが人のゲノムの中に潜伏する最も治療が難しい感染症である。本研究は、潜伏するウイルスがわずかに活性化した時に認知できるT細胞や変異抗原を認知するT細胞を明らかにした研究で、エイズ研究ばかりでなく、他のウイルス感染症の研究にも貢献する研究成果と考えられる。
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