研究課題/領域番号 |
20H03752
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
掛地 吉弘 神戸大学, 医学研究科, 教授 (80284488)
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研究分担者 |
中野 秀雄 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (00237348)
青井 貴之 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 教授 (00546997)
藤田 貢 近畿大学, 医学部, 准教授 (40609997)
岡田 誠治 熊本大学, ヒトレトロウイルス学共同研究センター, 教授 (50282455)
向山 順子 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (70734987)
山下 公大 神戸大学, 医学部附属病院, 特命准教授 (80535427)
高村 史記 近畿大学, 医学部, 講師 (90528564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2021年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
2020年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
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キーワード | 胃癌 / 三次リンパ構造 / 抗体取得 / B細胞 / 抗体薬剤複合体 / 腫瘍微小環境 / 消化器癌 |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌での免疫チェックポイント阻害剤(CPi)の治療効果は十分とは言えず、CAR-T細胞療法等の次世代型新規療法の導入が望まれる。腫瘍特異的抗体の特定およびその配列情報が必須となる。近年、腫瘍近傍に出現する三次リンパ構造 (TLS)中に腫瘍特異的抗体を産生する腫瘍関連B細胞 (TAB)が多く存在することが明らかとなった。本研究では、進行胃癌のTLS 成熟度を迅速に評価すること、TABの抽出および機能解析を行うこと、胃癌特異的抗体同定プロセスを最適化することで、胃癌特異的な次世代型新規抗体医薬製品の開発につながる抗体取得を行い、進行胃癌の腫瘍微小環境を制御し、治療成績の向上を目指す。
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研究成果の概要 |
TLSの構造・成熟度の解析を行い、一定の成果を得ている。TLSの構造解析に関しては、胚中心B細胞などが成熟度とその存在が関連し、CD27+B細胞が候補として同定された。 次に、腫瘍由来B細胞からの抗体取得に関しては、抗体情報を取得する新技術Ecobody 法を用いた。TAB 表現型情報を用いて、手術時に胃癌切除組織を選別し、セルソーティング法を用いて TLS-TABを単離抽出し、Ecobody 法にて抗体情報を取得する。取得された抗体は胃癌細胞株への結合能をELISA法で測定し、スクリーニングを行った。胃癌組織内 TAB から抽出した抗体の胃癌反応性モノクローナル抗体の取得に成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃癌に関しては包括的解析データを用いてびまん浸潤性胃癌の特定抗原を標的とした抗体を取得し、さらにトランスクリプトーム解析で再評価することで腫瘍に対する増殖抑制効果を持つ抗体の同定に成功した報告がある。一方、我々はTAB網羅的解析データを基盤にTLS解析に伴う戦略を立てた。これまでTLSは予後予測因子として注目されたが、免疫チェックポイント阻害剤のTLSがバイオマーカーであることが示された。形態学的な解析を含めたTLSの成熟とB細胞の関連を詳細に行っている研究は少なく、この手法でのB細胞取得での類を見ない点、抗体取得の成功例として意義がある。
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