研究課題/領域番号 |
20H03782
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分55060:救急医学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
志馬 伸朗 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (00260795)
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研究分担者 |
今井 由美子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 医薬基盤研究所 ヘルス・メディカル微生物研究センター, 副センター長 (50231163)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,690千円 (直接経費: 11,300千円、間接経費: 3,390千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2020年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 敗血症 / 腸管 / TSPO / 臓器不全 / 心筋症 / 脳症 / Zonulin / 透過性 / zonulin / GDF-15 / lysophosphatidylcholine / リピドミクス / 腸内細菌 / 多臓器不全 / 腸内細菌叢 / 臓器障害 / 消化管 / 免疫 / 末梢血単核細胞 / 腸管透過性 / メタボローム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
敗血症は救急集中治療領域の診療対象となる最重要病態である。腸管はそれ自体が敗血症の原因の感染巣となるだけでなく、臓器障害の進行において中心的な役割を果たす。敗血症患者における腸内細菌叢を解析することで、増減している細菌を特定し、その代謝物質を検索すること、さらに腸内細菌叢変化による免疫系・上皮細胞への影響を解析することは、敗血症の病態解明につながる。特定代謝産物による免疫賦活効果や腸管透過性など腸管機能の改善効果を明らかにすることで、腸管細菌叢をターゲットとした敗血症の新規治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
敗血症患者の臨床情報と血液検体を解析し、各種マーカの意義を検討し以下の結果を得た。1)腸管透過性マーカーであるゾヌリンの低値が予後悪化に関連する。2)ミトコンドリアタンパク質であるTSPOが敗血症患者で低下する。3)ミトコンドリア機能障害の指標とされるGDF-15が、敗血症心筋症患者で上昇する。4)リピドミクス解析で、敗血症患者ではlysophosphatidylcholine 16:0、18:0などが健常者に比べて有意に低下し、重症度と相関する。動物実験では、敗血症の長期的な影響としての行動異常を調べるマウスモデルを確立し、TSPOの関与を確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢、腸管上皮細胞、免疫系は相互に作用し合う。敗血症患者における腸管機能は近年主要な介入標的として着目されている。敗血症における腸管関連の新しい特定代謝産物の変化を同定し、免疫賦活効果や腸管透過性など腸管機能の改善効果、さらには中枢神経系や心臓など敗血症性多臓器不全に及ぼす影響を明らかにできれば、これまで特異的な治療法のなかった敗血症に伴う臓器不全症に対する新規治療法につながる基礎的知見を提供できる。
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