研究課題/領域番号 |
20H03836
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
細谷 誠 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (30645445)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 9,490千円 (直接経費: 7,300千円、間接経費: 2,190千円)
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キーワード | コモンマーモセット / 内耳 / 聴覚 / 蝸牛 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
内耳研究には齧歯類や鳥類・ゼブラフィッシュなどの非ヒト非霊長類モデル動物が用いられるが、これらを駆使しても解決できない科学的課題がときに存在し、その原因の一つにモデル動物とヒトの間の種差の存在が指摘されている。とくに内耳研究では、種差の問題の克服のための新しい研究ツールの確立が求められていた。 本計画ではコモンマーモセット内耳研究を、胎生期から高齢個体に到るまでの全ライフスパンに拡張する。内耳発生学的研究および加齢性難聴研究プラットフォームとして確立すると同時に、遺伝性難聴モデル動物としての拡充を図るべく分子生物学的手法を用いて組織解剖学的な詳細な検討を行い、霊長類内耳細胞の網羅的な解析を行う。
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研究成果の概要 |
コモンマーモセット内耳に関して、発生学的知見を中心に、老化・再生に関する遺伝子情報まで多数の知見を得た。特に本研究を通してこれまで知られていなかったコモンマーモセット内耳発生の基本的なステージングと主要な組織・細胞の発生段階における知見が集積され齧歯類モデルとの比較およびヒト検体との比較が可能になった。またその過程で、霊長類モデルと既存の齧歯類モデルとの多数の差を見出すことが可能であった。当初の目的である霊長類モデル動物としての内耳研究のプラットフォーム化に成功したと考えられる。 今後の本動物を用いた障害モデルなどより応用的な研究への道が開かれたと考えており、更なる研究につながる成果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来内耳研究ではヒト検体の利用が困難なことから、マウスモデルがよく利用されいた。しかし、しばしばマウスモデルではヒトの疾患や病態を説明できないことが存在することが知らている。今回、我々の検討では霊長類モデル動物であるコモンマーモセットに注目し、その内耳における発生から加齢までを対象に検討を行った。 検討の結果、本動物を今後の内耳研究に利用する際に必要となる基礎的な情報が集積され、本動物を用いたマウスモデルとは別の角度からの研究が可能になると考えられる。また、齧歯類と霊長類との間の種差も多数見出し、種差の点からも霊長類モデル動物の有用性が示された。本モデルは内耳研究に貢献することが期待される。
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