研究課題/領域番号 |
20H03839
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56060:眼科学関連
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相原 一 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80222462)
|
研究分担者 |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
本庄 恵 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (60399350)
木村 麗子 (山岸麗子) 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (80704642)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2021年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
|
キーワード | 緑内障 / 眼圧 / 圧受容体 / 線維柱帯 / 房水 / 生理活性脂質 / 細胞応答 / 脂質メディエーター / バイオマーカー / 機械受容体 / 圧センサー |
研究開始時の研究の概要 |
眼球組織は生涯眼圧という内圧にさらされており、眼の神経組織は慢性的にストレスを受けている。そのため、バランスが崩れると眼圧が高くなり失明原因一位の緑内障になる。眼圧は眼内独自のシステムである房水の流れによって保たれているが、何故正常値に維持されているかは不明であり、また何故眼圧が高くなるかはよく分かっていない。我々は眼の組織に圧力センサーが存在し、眼圧を制御している可能性、また圧にさらされている眼組織から房水中に出てくる物質により眼圧が高くなる可能性を考え、本研究では眼内圧力センサーとそれに関係する房水中の物質を探索し、眼圧制御のメカニズムを解明して、緑内障の原因とその治療法を目指す。
|
研究成果の概要 |
線維柱帯や網膜神経節細胞(RGC)は圧受容体を介して眼圧に応答し、線維柱帯では二次的にPGE2を介する組織変化、RGCでは細胞死を惹起した。ATX、LPA、TGFβが眼圧を上げる房水バイオマーカーであり緑内障病型診断に有用であった。2種の新規プロスタノイド受容体作動薬は房水流出抵抗を減弱させ眼圧を下げることが判明した。圧受容体やプロスタノイド受容体、リゾリン脂質やTGFβは眼圧制御、緑内障に関与し、新たな緑内障の診断と治療標的となりうる。またATX高発現慢性高眼圧緑内障モデルマウスの作成および二光子顕微鏡による生体眼での房水流出経路可視化は、薬剤や圧による眼球組織応答を評価できる手法となる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
失明原因一位の緑内障の原因は眼圧による視神経乳頭障害で有り不可逆な神経変性を生じる。また唯一の治療法は眼圧下降であることから眼圧を制御することが不可欠である。本研究では眼圧による組織応答を介して眼圧制御機構の解明を目指した。新たに圧受容体を介した組織応答の存在、房水因子による眼圧上昇機構の解明と高眼圧モデルマウスの作成に成功した。改めて眼組織の圧変化に対する応答機能の存在と、眼圧上昇の房水バイオマーカーによる新たな治療標的を提案できたことから、今後の新たな緑内障の病因に迫る診断と眼圧下降および眼圧を上昇させない治療という扉を開き、緑内障による社会的損失を削減できる研究成果を得たと考える。
|