研究課題/領域番号 |
20H03857
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57020:病態系口腔科学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
池田 通 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (00211029)
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研究分担者 |
栢森 高 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (10569841)
坂本 啓 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00302886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 8,840千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 2,040千円)
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キーワード | 破骨細胞 / 口腔扁平上皮癌 / 破骨細胞前駆細胞 / RANKL / IL-1 / 骨破壊 / 骨浸潤 / 破骨細胞誘導 / 骨転移 / 骨吸収 |
研究開始時の研究の概要 |
マクロファージをRANKLで24時間刺激した破骨細胞前駆細胞は、それ自体では決して破骨細胞まで分化できないが、口腔扁平上皮癌と共存させると破骨細胞に分化する。この破骨細胞誘導はRANKL阻害薬では全く阻害されず、NFATc1の発現上昇を伴わない。さらに、この破骨細胞誘導に口腔扁平上皮癌のエクソソームが関与し、カンナビジオールという薬物がこの破骨細胞誘導を阻害することを明らかにした。本研究では、この破骨細胞前駆細胞から始まる全く新しい破骨細胞誘導機構を解明するとともに、カンナビジオールで破骨細胞誘導が阻害されるメカニズムをも解明し、治療薬の開発に結びつける。
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研究成果の概要 |
我々は破骨細胞前駆細胞を標的として口腔扁平上皮癌細胞が独自の機構で強力に破骨細胞を誘導することを発見し、この破骨細胞誘導にRANKL阻害薬が無効であるが、カンナビノイドの一種カンナビジオールが効果的に抑制することを見出した。本研究では、多くの口腔扁平上皮癌で高発現が認められるIL-1がRANKLによる生理的破骨細胞誘導のみならず、口腔扁平上皮癌細胞による破骨細胞前駆細胞を標的とした破骨細胞誘導も促進することを示し、これが口腔扁平上皮癌の進展による骨の過剰吸収のメカニズムであるとする新たな仮説を世界に向けて提唱した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔癌の進展によって起こる過剰な骨吸収が生理的骨吸収が単に亢進したものなのか、口腔癌細胞による独自の破骨細胞誘導機構が存在するのかについては全く不明であった。我々の一連の研究により、口腔扁平上皮癌は破骨細胞への分化が決定づけられているがそのままでは破骨細胞に分化が進まない破骨細胞前駆細胞を標的として強力に破骨細胞を誘導することが示されたが、今回の研修成果はさらに、癌細胞が発現するIL-1が生理的骨代謝に加え、癌細胞による破骨細胞誘導機構もともに促進することが、口腔扁平上皮癌による骨吸収のメカニズムであることを示した。この成果によって口腔癌による骨吸収機構の全容解明に大きな進展をもたらした。
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