研究課題/領域番号 |
20H03881
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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研究分担者 |
石井 正和 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (00456683)
小戝 健一郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (90258418)
佐原 寿史 鹿児島大学, 総合科学域共同学系, 准教授 (90452333)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 6,760千円 (直接経費: 5,200千円、間接経費: 1,560千円)
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キーワード | 再生医療 / 間葉系幹細胞 / 骨再生 / 分子マーカー / 再生医学 |
研究開始時の研究の概要 |
顎骨骨髄中に存在する間葉系幹細胞(MBMSC)は高い骨分化能を有し、顎骨増生療法に有望なセルソースである。一方でMBMSCの骨増生能は個体差が大きく、移植による骨増生効果を一定に保つことが困難であり、細胞移植前に骨増生ポテンシャルを予見することが重要である。しかし現時点で細胞移植前に骨増生能を評価する技術はない。MBMSC移植による骨増生成功のために、移植前に生体内での骨増生ポテンシャルを評価するための細胞評価基盤技術の開発が求められている。 本研究では、MBMSCの機能制御分子を多面的に解析し、骨増生能を予見するマーカー分子を特定し、革新的な細胞評価基盤技術の開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では顎骨骨髄由来間葉系幹細胞(MBMSC)の生体内での骨形成能を事前に予測しうる分子マーカーの探索を実施し、細胞外に分泌されるCHI3-L1が骨形成効果と負の相関を示すことを示し、CHI3-L1分泌量の測定によって移植前に骨形成効果を予測できる可能性を見出した。また、MBMSCは脂肪に分化しにくいという特徴を示すが、どのような分子メカニズムによって分化能が制御されているか不明であった。本研究ではMBMSCが脂肪分化初期および後期転写因子発現が抑制されていることを明らかにした。さらに、MBMSCの脂肪分化制御機構において、活性酸素種(ROS)が分化の制御に関与している可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、MBMSC移植による骨増生効果を事前に予見するための分子マーカーの同定に成功した。この研究成果を利用した新たな細胞評価技術の開発によって、より効果的で安定的な骨増生治療を提供できる可能性が見出された。さらに、本研究ではMBMSCの脂肪分化制御の分子メカニズムの解明をおこない、ROSが分化制御において重要な働きをすることを初めて明らかにした。この研究成果はMBMSCの組織特異的な性質を解明するための新たな手がかりとなる可能性を示している。従って、本研究は学術的・社会的意義の高いものである。
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