研究課題/領域番号 |
20H03897
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57070:成長および発育系歯学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
仲野 道代 (松本道代) 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (30359848)
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研究分担者 |
仲 周平 岡山大学, 大学病院, 講師 (10589774)
稲葉 裕明 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (70359850)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2021年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2020年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
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キーワード | Streptococcus mutans / バイオフィルム / 膜タンパク / ABC膜輸送体 / シグナル伝達システム / グラム陽性細菌 / グラム陰性細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
バイオフィルムを形成する細菌は高い抗菌物質耐性機構を獲得しており、バイオフィルムが簡単には除去できない要因となっている。これらの完全な除去および再形成の抑制は非常に困難であるため、機械的清掃に加えて「局所に有効な薬剤を適用する」ことで根本療法の構築につなげたいと考えてきた。バイオフィルム形成は、細胞―細胞間情報伝達機構であるクオラムセンシングにより制御されており、必要な栄養素を取り込み不要な物質を排出する役割を持つ「膜タンパク」が関与しているがその詳細は不明である。本研究の目的は、分子生物学的手法を用いて齲蝕および歯周病の主要な起炎菌における膜タンパクの役割を明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
Streptococcus mutans は、菌体表層に発現する病原性の高いタンパクにより口腔内のバイオフィルムを形成する。ABC膜輸送体は、必要な栄養素の取り込み、不要な物質の侵入阻害と排出などの機能を発揮し、強固なバイフォイルムを形成し続けることを可能にしている。本研究では、 S. mutans のABC膜輸送体のバイフォイルム形成に関与することを明らかとするために、ABC膜輸送体をコードするSMU _1519 およびSMU _1521の機能解析を行った。その結果、このABC膜輸送体は、亜鉛の細胞膜輸送に関連する遺伝子であり、さらにバイオフィルム形成にも関与していることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Streptococcus mutans の保有するABC膜輸送体はクオラムセンシングの主要タンパクである膜タンパクの一つであり、菌の生存に必要な物質の輸送だけでなく、バイオフィルム形成能に関与する可能性が示唆されている。クオラムセンシングによってバイフォイルム形成は制御されているため、ABC膜輸送体の機能を明らかにすることはバイフォイルム形成制御メカニズムの解明につながる可能性が高い。本研究で同定したABC膜輸送体は亜鉛の輸送体として機能し、バイオフィルム形成に関与していた。この結果は、バイオフィルム形成を抑制物質を開発する上で、ABC膜輸送体が新たなターゲットとなる可能性が示された。
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