研究課題/領域番号 |
20H03902
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
片岡 宏介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (50283792)
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研究分担者 |
土居 貴士 大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (20388375)
河村 佳穂里 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (20737019)
戸村 道夫 大阪大谷大学, 薬学部, 教授 (30314321)
三宅 達郎 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (40200141)
楠本 豊 大阪大谷大学, 薬学部, 准教授 (40252689)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
18,070千円 (直接経費: 13,900千円、間接経費: 4,170千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
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キーワード | NALT / 樹状細胞 / マウス唾液腺 / IgA陽性B細胞 / CD4陽性T細胞 / ケモカインレセプター / 経鼻投与 / 唾液分泌型IgA抗体 / B細胞 / 遺伝子改変マウス / マウス舌下唾液腺 / IgAクラススイッチング / KikGRマウス / Iμ-Cα transcripts / CD11c-YFPマウス / 顎下唾液腺 / AID / 唾液IgA抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液中の分泌型IgA(SIgA)抗体は、病原体や毒素の侵入阻止、排除を担う口腔免疫システムの中核となる宿主防御因子である。しかし口腔での外来抗原曝露後、ヒトではアデノイドをはじめとするワルダイエル扁桃輪、マウスでは鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)といった免疫誘導組織から免疫実効組織唾液腺にいたるまでの抗原特異的SIgA抗体産生またその制御における一連の免疫担当細胞の動態については不明な点が多い。 本研究では、唾液腺における抗原特異的SIgA抗体産生メカニズムを明らかにするため、紫光反応性細胞を有する遺伝子改変マウスを用い、免疫誘導組織から唾液腺にいたるまでの免疫細胞の時系列的動態解析を行う。
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研究成果の概要 |
鼻腔底に存在する免疫誘導組織鼻咽腔関連リンパ組織(NALT)に存在する樹状細胞を活性化することで唾液中IgA抗体を強く誘導する新規経鼻アジュバントを用いた本経鼻ワクチンは、本経鼻ワクチンの経鼻投与後、NALT 1/5後方に広範囲な樹状細胞の集積が明らかとなり、組織特異性を認めた。さらに、NALT樹状細胞によって刺激されたB細胞は、NALTだけでなく顎下唾液腺においてもIgAクラススイッチングしていた。また、NALT由来B細胞は、三大唾液腺のなかで舌下唾液腺に最も多い存在を認めた。さらに本経鼻ワクチンを投与したマウスNALT B細胞は、ケモカインレセプターCCR9遺伝子発現を強く認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
口腔免疫防御システムの中心的ツールと考えられる唾液抗原特異的IgA抗体は、その産生メカニズムはほとんど知られていない。免疫誘導組織NALTから免疫実効組織唾液腺までの免疫担当細胞の詳細な動態と細胞間クロストークメカニズムを明らかにすることにより、唾液分泌型IgA抗体を効果的に産生する経鼻ワクチンの開発に繋げることが本研究の目標である。 細菌やウイルスの多くが口腔・鼻腔からの侵入・感染で始まることから、唾液IgA抗体を効率的に誘導・産生することは、効果的な防御法となる。つまり、重症化予防のためのワクチンではなく、感染予防のため経鼻・経口型粘膜ワクチン開発は喫緊の課題に対する解決法となる。
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