研究課題/領域番号 |
20H03906
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58010:医療管理学および医療系社会学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
羽田 明 千葉大学, 予防医学センター, 特任教授 (00244541)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
14,300千円 (直接経費: 11,000千円、間接経費: 3,300千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 子宮頸がん / 自己採取HPV-DNA検査 / ランダム化比較研究 / 子宮頸がん検診 / ランダム化比較試験 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、我が国における子宮頸がん罹患率は上昇に転じている。ヒトパピローマウイルスワクチンの積極的勧奨政策を中断している我が国において、子宮頸がん検診の受診率向上は喫緊の課題である。本研究は、子宮頸がん検診未受診者に対して自己採取によるHPV-DNA検査をオプションとして提供することにより、検診受診率が向上するか否か、また、その結果、中等度異形成以上の検出率が向上するか否かを明らかにするランダム化比較試験である。
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研究実績の概要 |
2020年度から引き続き、研究参加の拒否(オプトアウト)を電話およびWebで受け付けた。2021年度の市の子宮頸がん検診の結果が協力自治体から提供され、研究のためのデータベースに登録した。現在、市の子宮頸がん検診の結果から必要と判断された精密検査が実施されている。 自己採取HPV検査がすべて終了した時点で、副次的解析のためのデータ固定を行い、解析を実施した。データ固定までに研究の参加を辞退した方を除外し、参加者は16,260人となった(自己採取HPV群8,145人、通常検診群8,115人)。自己採取HPV群のうち、1,372人が自己採取検査を申し込み(Web:1,213人、電話:159人)、1,196人が自己採取HPV検査を受けた。自己採取検査を実施し、有害事象を訴えた方はいなかった。陽性者は73人、陰性者は1,108人、判定不能となった方は15人であった。判定不能となった方には、再検査を案内し、全員が再検査を受ける意思を示したが、実際に再検査を受けたのは11人であった。再検査の結果、7人が陰性、1人が陽性、3人が再び判定不能となった。3人のうち1人が再々検査を希望し、結果は陰性であった。自己採取HPV検査の各手続きにかかる時間を解析したところ、検査申し込みまではおおむね3ヵ月が必要で、多くの方は、検体採取から数日で検体を送り返していることが明らかとなった。検査のスケジュールについて、参加者からの苦情はなかった。ここに示した自己採取HPV検査の実装にかかわる結果は、論文としてScientific Reportsに掲載された。また、自己採取HPV検査を実施した参加者からのアンケート調査結果について、現在、論文を投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画どおり、自己採取HPV検査の申込の受付、検査実施、結果の報告を行い、必要な情報をデータベースに登録した。さらに、2022年度は、2021年度に実施された市の子宮頸がん検診の結果の提供を受け、データベースに登録した。研究計画および副次的評価項目を、論文として公表した。研究計画通りに研究が進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度の市の子宮頸がん検診(細胞診)の結果から必要と判断された精密検査の結果は、市の事業として情報が蓄積され、今後、研究のために提供される予定である。 主要評価項目および副次的評価項目(アンケート調査結果)について、結果を査読付きの論文で公表する。
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