研究課題/領域番号 |
20H03932
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58020:衛生学および公衆衛生学分野関連:実験系を含む
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 大阪市立大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
和田 崇之 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70332450)
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研究分担者 |
藤原 直哉 東北大学, 情報科学研究科, 准教授 (00637449)
中谷 友樹 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20298722)
山本 香織 地方独立行政法人 大阪健康安全基盤研究所, 微生物部, 主任研究員 (70649011)
竹内 昌平 長崎県立大学, 看護栄養学部, 講師 (80432988)
翁長 朝功 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90823922)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,680千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 4,080千円)
2022年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 8,060千円 (直接経費: 6,200千円、間接経費: 1,860千円)
2020年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
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キーワード | 感染症 / 結核 / 分子疫学 / 空間疫学 / ゲノミクス / 人流解析 / 感染症分子疫学 |
研究開始時の研究の概要 |
結核菌の遺伝子解析に基づく伝播経路の推定(結核分子疫学)は、ゲノム解析技術の発展に伴って劇的に精度が向上し、伝播関係にあるにも関わらず共通する疫学要因が見出せない事例が浮き彫りになってきた。本研究では、こうした事例を対象として、居住地・勤務地などの患者データを地理情報と結びつけ、ビッグデータとして日々蓄積されている人の流動(人流)データを活用することにより、未知の結核伝播を説明する新たな疫学的要因を究明する。
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研究成果の概要 |
病原体の伝播経路を把握して予防策を打ち出し、より大きな拡散を事前に阻止することは公衆衛生、感染症対策として重要である。本研究ではエアロゾルによって感染伝播する結核を対象とし、調査地域におけるプレコロナ期の結核患者由来菌株をゲノム解読し、系統解析によって患者間の感染伝播事例を抽出、可視化した。また、交通流動調査に基づく人流データから個人間の1日の接触量を集計してネットワークを構築し、その結果にしたがって地域コミュニティ構造を得る計算手法について評価した。調査地域におけるGPSなどのリアルタイム人流データを用いて、個人間の接触量を計量できるツールも並行して開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新型コロナウイルスの感染流行により、病原体伝播が引き起こされる背景を解き明かす研究需要は急激に高まった。本研究は、患者への聞き取り調査や遺伝子解析による伝播経路の解明が進んでいる結核を対象として、その伝播事例を詳細にデータ化するとともに、感染伝播の要因となりうる患者間の地域的近接性や、社会全体の人流との相関を調べようとするものである。ポストコロナ期における「感染症に強い社会」の構築に向けた情報活用のあり方を模索できる点で、社会的意義は大きい。古来より国民病とされてきた結核は今や低蔓延期に移行しつつも、再発や薬剤耐性などの懸念がなお残り、その抑制に向けた結核対策を底上げしうる研究でもある。
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