研究課題/領域番号 |
20H03955
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
秋 利彦 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (60304474)
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研究分担者 |
船越 丈司 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40444715)
則竹 香菜子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (40758067)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 6,890千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 1,590千円)
2020年度: 7,670千円 (直接経費: 5,900千円、間接経費: 1,770千円)
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キーワード | パイロトーシス / マクロファージ / 代謝 / ヒ素 / ガスダーミン / アセトアミノフェン / 炎症性細胞死 / グルコース / 炎症 / 免疫細胞 / 代謝産物 / 細胞死 / 解糖系 / 代謝物 / 法医学 |
研究開始時の研究の概要 |
パイロトーシスは炎症誘導性の細胞死であり、主に免疫細胞で観察されるがそれ以外の組織でも観察され、炎症性の傷害に広く関与している。パイロトーシスはインターロイキンなどの炎症促進物質を、ガスダーミンと呼ばれるチャンネルを介して細胞外に放出する機構である。ガスダーミンは細胞内で不活性型前駆体として存在し、カスパーゼによって切断されるとN端側の約30kDaのドメイン(p30)が細胞膜へと移行して会合し膜にチャンネルを形成する。アポトーシスからパイロトーシスへと移行して炎症が主じることもあり、様々な疾患に関与した極めて重要な細胞死機構である。本研究では特に代謝との関係に重点を当てて研究する。
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研究成果の概要 |
炎症促進性細胞死であるパイロトーシスの代謝産物による制御機構を解析した。まず、マクロファージ細胞をリポポリサッカリドを用いてパイロトーシスを起こしたところ、解糖系が盛んなほどパイロトーシスも盛んであることがわかった。解糖系の副産物であるメチルグリオキサールによるHIF1の不活性化がその一因であることが示唆された。次に解糖系が盛んになる程パイロトーシスの実行因子であるガスダーミンDの発現が増え、またもう一つの実行因子であるガスダーミンEの発現は減ることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
炎症は様々な病態で見られる普遍的な所見であるが、その制御機構はあまりよくわかっていない。パイロトーシスは近年発見された炎症促進性の細胞死であるが、その制御機構の詳細は未だ明らかでない。免疫細胞の一種であるマクロファージにおいて、解糖系はパイロトーシスを促進させることを見出した。これは糖尿病における炎症の増悪などとの関連を予想させるものである。また、二つの全く別なパイロトーシス実行因子であるガスダーミンDとEの発現が解糖系により全く逆方向に制御されていることも見出し、ガスダーミン分子の機能分担に新たな知見を加えた。
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