研究課題/領域番号 |
20H03981
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分58060:臨床看護学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
荒尾 晴惠 大阪大学, 大学院医学系研究科, 教授 (50326302)
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研究分担者 |
溝口 理一郎 大阪大学, 大学院医学系研究科, 名誉教授 (20116106)
来村 徳信 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (20252710)
山本 瀬奈 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (60796522)
辰巳 有紀子 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90759432)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2021年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | がんサバイバー / 末梢神経障害 / がん看護 / オントロジー / 行為分解木 / 暗黙知 |
研究開始時の研究の概要 |
がんとその治療に伴う心身の機能変化や後遺症を抱えながら生活を送るがんサバイバーは、試行錯誤により生活を調整し、自分らしい生活を再構築している。この生活再構築の過程において、サバイバー自身が経験から生み出した知識がある。それらを一般化する試みにより他のサバイバーも活用できれば、看護支援にも活用でき、サバイバーの生活再構築がよりスムーズとなる。本研究では、がんサバイバーが療養生活を再構築する際に見出した暗黙知を、がん看護学とオントロジー工学の融合により可視化し、個別的な暗黙知を一般性の高いものへと構造化することによって、がんサバイバーが活用できる生活再構築のための看護システム開発を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究では、化学療法誘発性末梢神経障害(以下CIPN)に対してがんサバイバーが生活の知恵として生み出した対処法をWeb上でタブレット端末等により検索・閲覧できる「末梢神経障害の知恵袋システム」を開発した。まず、がん看護学の研究者らがCIPNに対するサバイバーの対処法を文献および面接調査にて収集し、個人の文脈を踏まえて要素ごとに整理した。これらをオントロジー工学によって分解木構造に落とし込み、一般性を高めた知識モデルへと構造化してシステムを開発した。システム上で生活上の問題を選択入力するとそれに対処する生活の知恵を検索・表示でき、CIPNをもつがんサバイバーの生活再構築に寄与できると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって開発した「末梢神経障害の知恵袋システム」は、化学療法誘発性末梢神経障害をもつ患者のユーザビリティ調査からも、患者の工夫を知ることができ、共感性が得られるシステムであるとの評価が得られた。本研究が目指したサバイバーの暗黙知の共有と生活の再構築に寄与できるシステムの開発は、計画通りにできたと評価する。このシステムを臨床において外来化学療法の看護実践に活用することで、がんサバイバーが経験から生み出した暗黙知の他者との共有が可能である。また、看護支援において、今後症状が出現することが予測される患者に活用することで症状をもつがんサバイバーの生活再構築がよりスムーズとなることが期待される。
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