研究課題/領域番号 |
20H04079
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59020:スポーツ科学関連
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
古市 泰郎 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (40733035)
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研究分担者 |
眞鍋 康子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (60467412)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
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キーワード | 骨格筋 / RNA結合タンパク質 / 筋線維タイプ / 筋萎縮 / 糖代謝 / 幹細胞 / 筋再生 / 筋幹細胞 / RNA結合タンパク |
研究開始時の研究の概要 |
骨格筋の萎縮は、運動機能を低下させて生活の質の低下を招くため、その分子生物学的な原因の解明と治療方法の開発が求められている。申請者はこれまで、筋萎縮を引き起こす新規因子を探索してきた結果、Musashi2(Msi2)を発見した。Msi2は筋の再生と肥大を担うサテライト細胞という骨格筋の幹細胞に発現し、Msi2の欠損は筋損傷後に萎縮を引き起こすことが明らかとなってきた。そこで本研究では、Msi2はサテライト細胞の運命決定因子として、筋再生を促進する役割を担うことを証明する。Msi2が筋の恒常性を保つ新規遺伝子であることが実証されると、筋萎縮の予防と治療を実現させる新たな戦略がうまれる。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞の運命決定因子であるRNA結合タンパク質Musashi2(Msi2)が、骨格筋量を維持し、筋萎縮を予防する機序を解明することを目的とした。Msi2欠損マウスの骨格筋を解析したところ、Msi2の欠損によって筋は萎縮するだけでなく白色に変色し、筋力および糖代謝能力が低下していた。また、速筋でありながら遅筋の性質を持つType IIa線維がMsi2の欠損によって減少していた。さらに、RNAシーケンスと培養細胞を用いた実験によってMsi2が筋代謝に重要な遺伝子の発現を制御していることが示された。以上よりMsi2は骨格筋萎縮と代謝能力を制御する新規因子であることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不活動や加齢による骨格筋の萎縮は、運動機能を低下させて、生活の質の低下を招く。高齢化社会が進む日本において、高齢者の骨格筋を健常に保つことは、労働力の確保や医療費の削減につながるため、最も重要な課題のひとつとされている。Musashi-2(Msi2)が筋量や筋代謝能力の維持に必要な新規因子であるという発見は、筋萎縮の治療薬や効果的な運動プログラムの策定に応用される。特に、Msi2は運動によって増加するType IIa線維の量を制御することが示唆されたため、運動適応に必要な因子であると推察される。Msi2が制御する細胞内情報伝達機構の解明は、筋萎縮の予防と治療を実現させる新たな戦略につながる。
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