研究課題
基盤研究(B)
睡眠はその間の絶食時間をいかに乗り切るかという代謝調節の課題に対処しつつ進行している。申請者らは24時間のエネルギー代謝測定から、絶食が続くにもかかわらず睡眠の後半には呼吸商(RQ)が上昇に転じて炭水化物の酸化が亢進することを見出した。またRQの経時変化の個人差は特に睡眠中に顕在化し、また男女差があることを見出している。本研究ではこの睡眠時のエネルギー代謝の個人差の要因について、多様な被験者の代謝測定結果の比較と尿メタボローム解析による探索的研究から解析を進める。更にこれらの測定結果を国際共同データ・ベースとして構築し、エネルギー代謝の比較研究(国際比較、年代比較など)の基盤を築く。
本研究ではこの睡眠時のエネルギー代謝、特に呼吸商(RQ)の経時変化の個人差の要因について検討し、1)睡眠の後半にはRQが上昇に転じて炭水化物の酸化が亢進する現象を捉えた。このRQの上昇には性差があり、女性のRQの上昇は男性よりも早期に始まる。高齢者は睡眠時のRQ一過性の低下が小さい。またRQの経時変化を24時間に亘って追跡すると、RQの個人差は睡眠時に顕在化すること等を明らかにした。2)更に睡眠時のRQ と相関する尿中代謝産物として炭素鎖8のアシルカルニチンやコハク酸などを同定した。3)メタボリックチャンバーを用いた代謝測定データを国際共同データベースとして設立する作業を開始した。
本研究ではこの睡眠時のエネルギー代謝、特に呼吸商(RQ)の経時変化の個人差の要因について検討した。睡眠時のRQの経時変化の個人差がインスリン抵抗性発症に向けた最も初期の現象であることが示唆された。今後、インスリン抵抗性や糖尿病の病因解明につながる知見だと考えている。本研究は申請者らの過去のエネルギー代謝測定データの再解析に加えて、高齢者や無月経女性アスリートの測定を加えて行った。国内外の研究機関に蓄積されているデータと統合したデータベースを設立することでヒトのエネルギー代謝調節の全体像が明らかになると考えている。国際共同データベースが将来のこの分野の発展に大きく寄与すると考えている。
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