研究課題/領域番号 |
20H04121
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
坪井 貴司 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80415231)
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研究分担者 |
北口 哲也 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 准教授 (60432374)
原田 一貴 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (60830734)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 6,630千円 (直接経費: 5,100千円、間接経費: 1,530千円)
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キーワード | 消化管ホルモン / 腸内細菌 / イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病や認知症は、腸内細菌叢や腸内細菌代謝産物の異変により発症する例が報告されている。しかし、腸内細菌叢や腸内細菌代謝産物の異変がどのように糖尿病や認知症発症に結びつくのかは、不明である。本研究では、腸内細菌代謝産物を消化管内分泌細胞に投与し、消化管ホルモン分泌への影響を解析する。また、マウス消化管に腸内細菌代謝産物を直接投与し、求心性迷走神経への影響についても解析する。求心性迷走神経を活性化した腸内細菌代謝産物については、マウスに長期間投与し、代謝および認知機能への影響を個体レベルで解析する。これらによって、腸内細菌代謝産物が代謝および認知機能を制御するという可能性について検証する。
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研究成果の概要 |
認知症や自閉スペクトラム症、また糖尿病や肥満症との関連が指摘されている腸内細菌代謝物は、腸内分泌細胞からの消化管ホルモンの1つであるグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を促すことが分かった。腸内細菌代謝物の中でも、L-フェニルアラニンとL-アルギニンは、GLP-1の分泌を強く増強した。一方、人工甘味料の1種であるスクラロースは、腸内分泌細胞の糖代謝に影響を与え、GLP-1分泌不全を引き起こす可能性があることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸内細菌叢が作り出す特定の代謝産物が、消化管内分泌細胞からの消化管ホルモン、特にグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の分泌を促すことを見出した。このGLP-1は、膵β細胞からのインスリン分泌を増強するだけでなく、膵β細胞の再生を促すことが報告されている。また、求心性迷走神経を介して摂食行動を抑制することも知られている。これらのことから、GLP-1分泌を促す腸内細菌代謝物は、糖尿病や肥満などの創薬標的となりうるだけでなく、症状改善のための機能性食品の開発にもつながると考えられる。
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