研究課題/領域番号 |
20H04123
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59040:栄養学および健康科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
星 奈美子 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (40645214)
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研究分担者 |
佐々木 大介 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 特命助教 (00650615)
佐々木 建吾 神戸大学, 科学技術イノベーション研究科, 客員准教授 (50558301)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,810千円 (直接経費: 13,700千円、間接経費: 4,110千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2021年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2020年度: 7,540千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 1,740千円)
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キーワード | アミノ酸 / 腸管腫瘍 / 予防 / 大腸癌 / 腸内環境 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は世界の癌罹患率第3位で、日本では癌死亡率女性1位、男性3位となっています。赤肉や加工肉などが増加因子として考えられていますが、その理由は不明です。我々の先行研究で、食物繊維由来の栄養に対する受容体を持っていない動物は、細胞内にアミノ酸を取り込むためのトランスポーターの発現パターンを変化させることを観察しました。そこで、大腸癌などの腸管腫瘍の発生には、腫瘍細胞が使用する栄養素が、正常の細胞が使用する栄養素と異なるのではないかと考え、特にお肉の成分であるアミノ酸に注目しました。本研究では、腫瘍の発生や成長において、特定のアミノ酸が重要な役割をになっているのかどうかを調べます。
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研究成果の概要 |
大腸癌は日本では戦後に増加し、癌死亡率女性1位、男性3位となっている。疫学的に赤肉や加工肉の摂取がリスク因子として挙げられ、遺伝的因子に加え栄養状態などの環境因子の重要性を示唆するが、その機序は未解明である。 本課題では、肉類の主要な栄養素であるアミノ酸の腸管腫瘍発生での役割について検討することとした。アプローチとして、多くの必須アミノ酸のトランスポーターであるL-type amino acid transporter-1(LAT1)に着目して検討を行い、LAT1が正常な小腸上皮のの分化に必要であることや、LAT1欠損により小腸腫瘍の発生に影響が出ることを見出し、論文等で発表を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
LAT1は、本課題開始当初、大腸癌細胞特異的に発現し腫瘍増殖に寄与すると考えられていたが詳細な機能は不明であった。そこで、腸管上皮でのみLAT1が欠損する腫瘍モデルマウスを作成し解析した。結果として、想定外にもLAT1は正常陰窩上皮で恒常的に発現し、LAT1欠損でパネート細胞数が激減することを見出した。LAT1欠損は腫瘍径の減少だけでなく発生数も有意に抑制することを観察し、パネート細胞が分泌するWnt3蛋白の産生減少が関わることが示唆された。栄養素と腫瘍発生の関わりを示す基礎研究結果であり、食生活からの大腸がん予防法の開発など社会還元に発展させることが期待できる有意義な成果と考える。
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