研究課題/領域番号 |
20H04180
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分60060:情報ネットワーク関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
重野 寛 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30306881)
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研究分担者 |
屋代 智之 千葉工業大学, 情報科学部, 教授 (60306397)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2023年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
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キーワード | 高度道路交通システム / 交通環境認識 / 協調走行 / 自動車通信 / 混在交通 / 協調認識 / 調停プロトコル / メッセージ優先制御 / メッセージ優先度制御 / セルラーV2X / 分散輻輳制御 |
研究開始時の研究の概要 |
自動運転車と手動運転車との混在交通における協調走行支援・制御の実現のために、車両間や、車両と路側インフラとの通信などの近距離自動車通信を用いた統合交通環境認識のための情報交換・共有方式を提案し、協調走行シナリオにおける効果について明らかにする。既存の自動車通信の性能や挙動についてシステム全体と車両ごとの両面からシミュレーション分析・評価を行い、協調走行支援・制御のための統合交通環境認識プロトコルを提案する。提案手法の混在交通を想定した協調走行シナリオにおける有効性についてシミュレーション評価を行う。
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研究実績の概要 |
2022年度は、センシング情報交換・統合機構と輻輳制御・優先送信制御連動方式を連携させる基本的な統合交通環境認識プロトコルの研究を進めた。具体的な協調走行シナリオを実現する自律走行・協調走行モデルをシミュレーションに実装し、混在交通での基礎的な協調走行における統合交通環境認識プロトコルの性能を評価した。 MCM(Maneuver Coordination Message)による周辺車両との情報交換と協調走行の調停について検討し、計画軌跡の調整と交渉フェーズの導入、交通流への影響を考慮した効用ベースの交渉受け入れ判断方式を提案した。車線変更とT字路での右左折の2つの協調走行シナリオを対象としたシミュレーション評価により、交通効率の改善、通信量への影響などの観点から、提案手法の有効性を明らかにした。 センシング情報の統合と各種通信制御の連携について、CAM (Cooperative Aware Message) の情報に基づく推定走行軌跡を利用したMCMのメッセージサイズ削減手法を提案し、シミューレーション評価により、有効性を示した。これとは別に、MCMに含まれる軌跡情報の圧縮手法の検討も進めた。 アプリケーション品質の維持を目的として、CAM, CPM (Cooperative Perception Message), MCMが混在する通信において、CPMとMCMの動的な送信間隔制御による優先送信制御方式を提案した。高速道路での通信シナリオを対象としたシミュレーションにより、MCMの受信間隔、CAVの普及率と輻輳低減効果を評価し、一定の有効性があることを確認した。 都市部での統合交通環境認識のための検討を進め、歩車間通信と歩行者のクラスタリングに基づくメッセージ収集と交通環境認識手法を提案した。都市部の大規模なスクランブル交差点周辺を対象としたシミュレーション評価を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全体としては研究計画にしたがって、概ね順調に進展している。2022年は、MCMを検討対象に加え、協調走行のための交渉プロトコル、CAMの情報を利用したMCMのメッセージサイズ削減手法、アプリケーション品質の維持のためのCPMとMCMの動的な送信間隔制御による優先送信制御手法、歩車間通信の検討などで進展があった。複数の協調走行シナリオについての評価やCAVの普及率の影響などの混在交通でのプロトコルの性能評価ができた。これらは計画に沿った進捗といえ、全体として、混在交通での基礎的な協調走行における統合交通環境認識プロトコルの性能を評価を進めることができた。また、MCMについては、当初計画には明示的に含まれていなかったが交通環境認識や協調走行に大きく関係するため、検討の対処に加えた。協調走行のための交渉に踏み見込んで検討を進めた点は計画以上の進展といえる。一方で、昨年度進展があったC-V2X Mode 4 サイドリンク通信の利用と、全体的な統合については大きな進展がなかった。これらについては次年度の研究の中で対応していく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の成果を踏まえ、研究計画に基づいて推進する。
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