研究課題/領域番号 |
20H04359
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
秋葉 道宏 国立保健医療科学院, その他部局等, 特任研究官 (00159336)
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研究分担者 |
小坂 浩司 国立保健医療科学院, その他部局等, 上席主任研究官 (60370946)
三浦 尚之 国立保健医療科学院, その他部局等, 主任研究官 (70770014)
佐野 大輔 東北大学, 工学研究科, 教授 (80550368)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
17,550千円 (直接経費: 13,500千円、間接経費: 4,050千円)
2022年度: 5,330千円 (直接経費: 4,100千円、間接経費: 1,230千円)
2021年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2020年度: 6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
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キーワード | A型肝炎ウイルス / E型肝炎ウイルス / 医薬品 / スクリーニング分析 / 新型コロナウイルス / 下水 / 病原ウイルス / 輸入感染症 / 因果モデル / ノンターゲット分析 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国では,感染症への抵抗力が低下し重症化しやすい高齢者の増加と,訪日客が持ち込む病原微生物による輸入感染症リスクの増加が同時に進行している。また,海外のウェブサイトを利用して個人輸入された無承認無許可医薬品による健康被害が発生している。本研究では,下水処理場の流入下水を対象とした調査に基づき,A型及びE型肝炎ウイルスの濃度や遺伝子型,無承認無許可医薬品の種類や濃度を明らかにし,統計的因果推論のアプローチにより訪日客数や帰国者数の変動との関係を立証することを目指す。さらに,下水処理区域内のウイルスの感染者数,及び医薬品の服用者数を推定し,それぞれのリスクを評価することを目的とする。
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研究成果の概要 |
流入下水試料から効率的にウイルスを濃縮し核酸を抽出する手法を新たに考案した。国内の下水処理場において収集した流入下水試料では,当該手法により従来のポリエチレングリコール沈殿法よりも高い検出率で新型コロナウイルスRNAが検出された。また,無承認無許可医薬品に該当する製品から検出事例がある医薬品成分を含めた242種類の物質(197農薬類,40医薬品,5工業薬品)を測定対象とするターゲットスクリーニング分析法を新規に確立した。収集した16検体の下水試料から無承認無許可医薬品は検出されなかったが,33物質(15農薬類,15医薬品,3工業薬品)が1試料以上から20 ng/L以上で検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
わが国ではこれまでに,下水を対象とした輸入感染症ウイルスや無承認無許可医薬品の調査はほとんど行われてこなかった。本研究では,考案した高効率な分析法を用いて,下水試料から新型コロナウイルス,医薬品類,農薬,人工甘味料,工業用化学物質を検出した。国内での調査事例が限られている防錆剤である4-/5-メチル-1H-ベンゾトリアゾール,ベンゾトリアゾールは,50%以上の試料から検出されることが明らかになった。以上の成果は,水道事業体や地方自治体の環境衛生部局等において環境水中の病原微生物や化学物質によるリスク管理を検討する上で有用な知見となる。
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