研究課題/領域番号 |
20H04417
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
山本 美穂 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10312399)
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研究分担者 |
大久保 達弘 宇都宮大学, 農学部, 教授 (10176844)
飯塚 和也 宇都宮大学, 農学部, 教授 (20344898)
早尻 正宏 北海学園大学, 経済学部, 教授 (50466637)
佐藤 宣子 九州大学, 農学研究院, 教授 (80253516)
山本 信次 岩手大学, 農学部, 教授 (80292176)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 低線量地帯 / しいたけ原木 / 西日本産クヌギ / 東日本産コナラ / 放射性セシウム / 薪 / 復興特別会計 / 九州 / 広葉樹林利用 / 原発事故 / きのこ原木 / 原発事故後 / 広葉樹林 |
研究開始時の研究の概要 |
原発事故によって森林が広域にわたり放射性物質で汚染される事態において、東日本の広葉樹林利用ときのこおよび原木生産における多様性と持続性がどのように変容を遂げたか、全国的な原木生産・流通構造と遠隔地の地域森林管理にどのような影響を及ぼしたかを明らかにし、最適管理が不可能となった地域において代替的森林管理策として何がありうるかを提示する。原発事故10年後の2021年を含む3年間に、原木の広域移動がなされる九州と北関東・福島県の双方を射程に入れた異分野融合研究で、原発後の食の安心・安全、食文化の継承、森林と関連の深い農山村住民の生活再建、など、原子力災害の農林水産業への影響と展望を示す。
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研究成果の概要 |
原発事故が原木をめぐる経済循環に及ぼした影響について、①東日本地域における生産者の減少、高齢化、原木林の放置による大径化、福島県を中心に展開するバイオマス発電・熱利用施設による素材生産活動の構造的な変容、高線量地帯におけるバイオマス利用の是非もめぐっての課題、②生産者の高齢化の中で針葉樹原木価格の乱高下にも左右され広域的な原木移出の課題はむしろ大きくなっていること、などを明らかにした。 低線量地帯広葉樹林のモニタリングにより、減衰しつつ林内で樹体と土壌との間を循環していること、原木内の放射性セシウム濃度、しいたけへの移行について、部分的に食品暫定基準値以下のレベルに達していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は、原発事故から12年が過ぎ、国内外で度重なる災害、戦乱、コロナ禍に見舞われるなかで、事故が引き起こした構造的な課題とその対応策、森林そのものの変容について、原発事故10年目を含む3年間を文理両面からトレースできたという学術的意義を有する。当研究の遂行事態が、コロナ禍によって多くの制約を受けたが、研究対象である東日本の低線量地帯、原木移出元である西日本の関係者そのものが、自然災害、高齢化、コロナ禍による影響を直接的に受けたこと、彼らが関わってきた広葉樹林そのものも変容を遂げたこと、を実態としてつかむことができた。
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