研究課題/領域番号 |
20H04420
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
上田 元 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (10241514)
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研究分担者 |
大月 義徳 東北大学, 理学研究科, 助教 (00272013)
池野 旬 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 名誉教授 (40293930)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 4,940千円 (直接経費: 3,800千円、間接経費: 1,140千円)
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キーワード | 地域経済統合 / 小農 / 物流 / 質的比較分析 / ケニア / タンザニア / 資源 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,東アフリカ共同体(EAC)の主要加盟国ケニアとタンザニアの林業・酪農業を事例として,地域経済統合政策への小農の対応戦略を比較し,社会経済と資源保全の現況を見極める。関連政策におけるEACと加盟国の関係および加盟国間の関係を明らかにしたうえで,政策インパクトが集落群や地方政府等の「地域」に媒介されて個別農民に及ぶという研究枠組を設定し,世帯生計の比較研究および流通事例研究を行う。そして,経済・政治の自由化と地方分権化を経験してきた両国の小農が,さらに地域経済統合過程において示しつつある生活と資源利用の変化を検出し,貧困削減と資源保全に向けて地域経済統合の何に留意すべきかを明確化する。
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研究成果の概要 |
本研究は,統合が図られている東アフリカ市場における農林畜産物の広域・越境移動の例を多地点フィールドワークによって特定し,商品供給あるいは端境期の商品補完を担うことのできる地域同士(産地と流通拠点)が選択的に結びついている現状と,それが主産地に遅れをとる後発地域の小農社会経済を制約する実態を明らかにした。また,地域経済統合が促す広域・越境物流と並んで社会経済に影響を与えるものとして,タンザニア南部高地における改良種小麦種子の無償配給政策の事例をとりあげ,小農の栽培試行に関する調査とデータの質的比較分析によって,地域行政が媒介する国策の効果が小農の複数の意思決定類型に応じて異なりうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
地域経済統合が人々の経済生活に及ぼす効果を貿易統計等によって評価する際には,関係各国の諸政策が広域・越境物流や地域行政など,いわば「地域」に媒介されて人々の土地利用と社会経済へと及ぶ実態を視野に入れる必要のあることを,東アフリカ市場のなかで地域を具体的に特定しつつ示した。また,農政が小農社会経済に与える影響を検討する際には,単一の重回帰・構造方程式モデル分析だけではなく,小農の意思決定戦略が複数の因果類型をもちうることに注目する質的比較分析を併用することが,より現実に即した仮説を構築するうえで有用であることを明らかにした。
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